第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
「教えられなかったんだと思う。いまもいったけど、もう少しで何かを漏らそうとしそうになるたびに、ドビーは壁に頭をぶっつけはじめるんだ」
「私の時も、教えてくれなかったけれど教えれないって感じだったもの」
するとハリーは眉をひそめて、フレッドとジョージを見つめ出した。
「もしかして、ドビーが僕とアリアネに嘘ついてたって言いたいの?」
「そんな!ドビーはそんな感じじゃなかったわ」
フレッドとジョージは少し困った顔をしていた。
悩んでいるような、なんて言えばいいのだろうかというそんな表情を浮かべている。
「ウーン、なんと言ったらいいかな。『屋敷しもべ妖精』ってのは、それなりの魔力があるんだ。だけど、普通は主人の許しがないと使えない。ドビーのやつ、君とアリアネがホグワーツに戻ってこないようにするために、送り込まれてきたんじゃないかな。誰かの悪い冗談だ。学校で2人に恨みを持ってるやつ、誰か思いつかないか?」
「いる」
「いるわ」
私とハリーは直ぐに返事をした。
私たちに恨みを持っているのは直ぐに思いつくし、あれ以外いるとしたらヴォルデモートぐらい。
「ドラコ・マルフォイ。あいつ、僕を憎んでる」
「私も憎んでると思うわ。だって私、あいつの事を何度も恥をかかせているもの」
「ドラコ・マルフォイだって?」
ジョージが振り返る。
「ルシウス・マルフォイの息子じゃないのか?」
「たぶんそうだ。ざらにある名前じゃないもの。だろ?でもどうして?」
「ルシウス・マルフォイの名前は、有名なのよハリー」
純血の家の者としても有名であり、そして悪い噂でも有名な人間なのだから。
「そう。それにパパがそいつのこと話してるのを、聞いたことがある。『例のあの人』の大の信奉者だったって」
「ところが、『例のあの人』が消えたとなると」
次はフレッドが運転しながら振り返った。
「ルシウス・マルフォイときたら、戻ってくるなり、すべて本心じゃなかったって言ったそうだ。嘘八百さ。パパはやつが『例のあの人』の腹心の部下だったと思ってる」
「私もそう思うわ。だから嫌いなのよ、ルシウス・マルフォイもドラコ・マルフォイも」
ヴォルデモートの配下だったことさえも許せない。
私の両親を殺した男の配下であり、その息子は私の両親をも馬鹿にした。
私にとっては絶対に許せない親子だ。