第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ハリーの言葉を聞いた瞬間、カッと私は目を見開かせていればジョージが『アリアネがキレた』と呟く。
キレるに決まっている……だって、ハリーは監禁されているのだから。
「虐待じゃない!マグルの警察に通報してもいいレベルよ!」
「アリアネ、シー!静かに!怒るのは分かるけれど」
「ハリー、俺とフレッドにまかせとけ。アリアネはここにいろよ」
「ハリー、ちょっとどいてろよ」
ジョージとフレッドは車からハリーの部屋へと、そーっと入っていく。
そして部屋に侵入したジョージはポケットからヘアピンを取り出してから鍵穴にねじ込み始める。
そういえば、前にジョージとフレッドが鍵が無くても鍵を開ける方法だと言って、ヘアピンで鍵を開けるのを見せてくれたことがあった。
本当にこの2人は凄いなと舌を巻いてしまう。
「マグルの小技なんて、習うだけ時間のムダだってバカにする魔法使いが多いけど、知ってても損はないぜ。ちょっとトロいけどな」
暫くすると、ガチャッという音が鳴った。
そしてドアがゆっくりと開いていく。
「それじゃ、僕たちはトランクを運び出す。君は部屋から必要なものを片っ端からかき集めて、ロンとアリアネに渡してくれ」
「1番下の階段に気をつけて。軋むから」
ジョージとフレッドはハリーの部屋の外へと出ていき、ハリーは部屋の中の荷物をかき集めて私たちに渡していく。
しばらくして、フレッドとジョージが戻ってきてからフレッドが窓を乗り越えて車に乗り込む。
私とロンは一緒にトランクを引っ張りこみ、ハリーとジョージは部屋の中から押した。
「あと、もう少し……」
「もうちょい……」
「あとひと押し……」
ハリーとジョージがトランクを肩の上に載せてから押すと、トランクは車の中に最後まで入り込んだ。
そしてトランクを後部座席へと置いた。
「オーケー。行こうぜ」
「ハリー、おいで。行きましょう」
「うん……!」
ハリーへと手を伸ばせば、彼は私の手をしっかりと掴む。
そしてハリーが窓枠を跨ごうとした途端、大きな声が聞こえた。
「あのいまいましいふくろうめが!」
「ヘドウィグを忘れてた!」
ハリーは急いで鳥籠を掴んでから、私とロンに投げてきた。
それからハリーが急いでタンスをよじ登った時、ハリーの叔父が現れたのである。
まるで本で見た怒った猛牛のようでびっくりした。