第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
「あぁ、これは違うよ。パパのなんだ。借りただけさ。僕たちが魔法をかけたわけじゃない。君の場合は、一緒に住んでるマグルの前で魔法をやっちゃったんだから……」
「言ったろう、僕じゃないって。でも話せば長いから、今は説明できない。ねぇ、ホグワーツのみんなに、説明してくれないかな。叔父さんたちが僕を監禁して学校にもどれないようにしてるって。当然、魔法を使って出ていくこともできないよ。そんなことしたら、魔法省は僕が3日間のうち2回も魔法を使ったと思うだろ。だから」
ハリーの言葉をロンが遮った。
「ゴチャゴチャ言うなよ」
「私たちは、貴方の伝言を聞くためにきたんじゃないのよ」
ハリーの家に来る途中、私たちはハリーを家に連れていこうと話していた。
彼も親戚の家に居ることをよく思ってなかったみたいだし、それがいいだろうと。
「僕たち君を家に連れていくつもりで来たんだ」
「ウィーズリー家に行きましょう、ハリー」
私とロンの言葉にハリーは目を見開かせていた。
迎えが来るとは思っていなかったみたいだけど、彼はオロオロとしている。
「だけど、魔法で僕を連れ出すことはできないだろ」
「そんな必要はないよ。僕が誰と一緒に来たか、忘れちゃいませんか、だ」
「こっちには、双子がいるのよ。ハリー」
フレッドがロープを手にしてから、ハリーへとそれを投げ渡した。
「それを鉄格子に巻き付けろ」
「叔父さんたちが目を覚ましたら、僕はおしまいだ」
ハリーは渡されたロープを鉄格子に固く巻き付けながら、少しだけ心配そうにしていた。
確かにあの意地の悪い叔父に見つかれば、ハリーは危ないし私達も危ない。
見つかる前にハリーを連れ出さなければ行けないのだ。
「心配するな。下がって」
フレッドはエンジンを吹かせる。
ハリーはゆっくりと奥へと下がっていくと、フレッドはどんどんエンジンを吹かせていった。
そしてアクセルを強く踏んだ時、『バキッ』という音と共に鉄格子が外れる。
ロンは外れた鉄格子を引っ張り、車の中に入れる。
それを見たフレッドはバックしてから、窓の傍に車をくっ付けた。
「乗れよ」
「ハリー、乗って」
「だけど、僕のホグワーツのもの……杖とか……箒とか……」
「どこにあるんだよ?」
「階段下の物置に。鍵が掛かってるし、僕、この部屋から出られないし」