第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ーアリアネ・イリアス・フリートsideー
ハリーの家に辿り着いてまず驚いたこと。
なんと、ハリーの部屋だと聞いていた2階の窓に鉄格子がされているのだ。
まるで『外に出さない』と言わんばかりの鉄格子。
「なんで鉄格子があるのよ……!」
「厳重な警備とか?いや、ハリーを閉じ込めるため?とりあえず、窓から覗いてみよう。フレッドかジョージ、そこどいて」
「ジョージだよ、ロニー坊や」
助手席に行ったロンは、窓から覗く。
「いた、ハリー。でも寝てるなあ」
「起こしてみろよ」
「そうしてみる」
「ロン、ダドリーにバレないようにね」
「分かってるよ」
ロンは窓をガタガタ言わせてハリーを起こしてみる。
私も後部座席から身を乗り出してから、窓の中を見ればハリーが眠っていた。
離れて居て、よく見えないけれどなんだか痩せているように見えるのは気の所為だろうか。
暫くロンは窓をガタガタと言わせていれば、ハリーが起き上がった。
そして目を見開かせながらこちらにやって来て、窓ガラスを押す。
「ロン!アリアネ!」
「こんばんは、ハリー」
「ロン、アリアネ、いったいどうやって?なんだい、これは」
ハリーは私たちが乗っている車を見て呆気に取られているみたい。
マグル育ちの彼は、空飛ぶ車は初めて見るのかもと思っていればフレッドとジョージがハリーへと声をかけた。
「よう、ハリー、元気かい?」
「それよりハリー、私たち心配してたのよ」
「心配?」
「いったいどうしたんだよ。どうして僕と、アリアネの手紙に返事をくれなかったんだい?手紙を1ダースぐらい出して、家に泊まりにおいでって誘ったんだぞ。そしたらパパが家に帰ってきて、君がマグルの前で魔法を使ったから、公式警告状を受けたって言うんだ……」
ロンの言葉にハリーは目を見開かせる。
「僕じゃない。でも君のお父さん、どうして知ってるんだろう?」
「パパは魔法省に務めてるんだ。学校の外では、僕たちは魔法をかけちゃいけないって、君も知ってるだろ」
「なんで魔法なんか使ったの?ハリー」
私とロンの言葉に、ハリーは眉を寄せた。
そして私たちが乗っている車から目を離さずに、言葉をかけてくる。
「自分たちのこと棚に上げて」
「あら、これのこと?」
「うん、その車のこと」