第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ヴォルデモートではなければ、誰がいったい自分とハリーの身を危険に晒すのだろうか。
アリアネが首を傾げていれば、ドビーは甲高い声で言う。
「とにかく、ホグワーツには行ってはなりません。ああ、ドビーめは行かなければなりません。アリアネ・イリアス・フリート。ホグワーツには絶対行ってはなりませんからね!」
そう言うと、ドビーはあっという間に姿を消してしまった。
あっという間に消えた屋敷しもべ妖精に、アリアネは首を傾げてしまう。
結局、何故ホグワーツに行ってはならないのか理由を聞けなかったのだから。
だが、自分の身とハリーに危険が起きる。
それだけ教えてもらえて良かったと思いながらも、ベッドに潜り込む。
「嵐が過ぎ去った気がするわ……」
ドビーは何故、こんな警告をしに来たのだろうか。
アリアネはそう思いながらもゆっくりと目を閉ざすのであった。
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ー翌日の夜ー
翌日の夜のこと。
アリアネとロン、そしてフレッドとジョージはこそこそと家から抜け出していた。
今日はハリーを迎えに行く日であり、こっそりと行く日でもあるのだから。
アリアネは最初はただハリーが心配で迎えに行くつもりだったが、ドビーのことを聞くつもりでもあった。
ハリーの所にもドビーが行ったようだから、そしてドビーの事はウィーズリー家には言ってはいない。
(もし言ったら、大騒ぎになりそうだものね)
そして4人は、アーサーが所有している空飛ぶ車の元までやってきた。
「運転はフレッドかジョージに任せるよ。僕とアリアネは後部座席に座るさ」
「安全運転でお願いね」
「了解」
「任せろ、お姫様」
「……安心出来ないわね」
そう思いながらも、4人は車に乗り込んだ。
そしてこっそりと車のエンジンをかけて、アクセルを踏むと車はゆっくりと浮遊していく。
「ママとパパが気づかなきゃいいけど」
フレッドがそう呟きながらも、楽しげに笑っていた。
4人はウィーズリー家を後にすると、ハリーの家に向かうのであった。
「ハリーの家の住所は?」
「私、知ってるわ。前に教えてもらったの。ピケット・ポスト・クローズ12番地よ」
「了解。じゃあ、ピケット・ポスト・クローズの12番地に出発だ!」