第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
自分は会えていないハリーに、ドビーは会えている。
もしかたしらどんな様子なのか、ドビーは知っているのかもしれないと思いながらドビーに詰め寄った。
「ハリーはどんな様子だったの?手紙を出しても返事をくれないの!」
「あああ、落ち着いてくださいませ、アリアネ・イリアス・フリート!」
「あ、ごめんなさい……ドビー」
ドビーになだめられたアリアネは深呼吸をしながらも、ベッドに腰掛けた。
「実は、ドビーはハリー・ポッターにホグワーツに戻っては行けないと伝えに行ったのです」
「……え?な、なんでハリーはホグワーツに行ってはいけないの?」
「ハリー・ポッターだけではありません。アリアネ・イリアス・フリート。貴方もホグワーツには行ってはなりません!」
ドビーの言葉に、アリアネは何度か瞬きをした。
何故ホグワーツに行ってはいけないのだろうかと、思っていればドビーは甲高い声で話し出す。
「貴方とハリー・ポッターは安全な場所にいないといけません。あなた様とハリー・ポッターは優しくて勇敢な人。失う訳には参りません。貴方がたがホグワーツに戻れば、死ぬほど危険でございます」
「どうしてなの、ドビー?」
「罠です。罠が仕掛けられているのです。ホグワーツ魔法魔術学校で世にも恐ろしいことが起こるよう仕掛けられているのです、罠が。ドビーめは、そのことを何ヶ月も前から知っておりました。ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートは危険に身を晒してはなりません。貴方はハリー・ポッターにとって大切なお方なのですから!」
アリアネはドビーの言葉を聞いて驚いていた。
ホグワーツは安全な場所であり、危険なことはないだろうと思っていたけれどドビーは危険な罠が仕掛けられていると言う。
しかも自分とハリーが危険というのだ。
ふと、アリアネはある事を思い出した。
自分とハリーの身を危険に晒すということは、もしかしたらヴォルデモートが関係しているのではないかと。
「もしかして、ヴォルデモートのこと?」
「その名前を言ってはなりません!」
「あ、ごめんなさい……そうよね。ごめんなさい、ドビー」
「ああ!ドビーめに謝らないでくださいませ!とにかく、貴方とハリー・ポッターはホグワーツに行ってはなりません。そして、例のあの人とは関係ありません」
「関係ないの……?」