第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
アリアネはハリーばかりを心配するものだから、恋愛的に好きなのかとフレッドは少し焦っていたものだから。
「それが聞けてよかったさ」
「もう、どういう意味なのよ」
「さあ?それではおやすみ、我らウィーズリー家のお姫様」
ウィンクをしたフレッドはそう伝えると、階段を降りていってしまった。
そんなフレッドを見ていたアリアネは少し首を傾げてからも部屋に入る。
すると、部屋には何かがいた。
「……え?」
アリアネの部屋に、何者かがいたのだ。
尖った耳に小さな体、布切れで作られたような服を着た妖精がそこにいたのである。
「屋敷しもべ妖精……?」
「は!!」
小さくアリアネが呟くと、屋敷しもべ妖精は目を丸くさせてこちらを振り返る。
「アリアネ・イリアス・フリート!ドビーめはずっと、あなた様にお会いしたかった!」
「ちょ、静かに!夜なのよ、ドビー」
大きな声を出す屋敷しもべ妖精のドビーに、アリアネは静かにするように言う。
するとドビーは口を小さくしてから、静かにしてくれた。
「えっと、取り敢えずドビー。何故、貴方は私の部屋にいるのかしら?ウィーズリー家には屋敷しもべ妖精なんて雇ってないのだけれど……」
「はい、ドビーめは貴方に話があって来たのです」
「話?そう……取り敢えず、座ってちょうだい。立ったまま話すなんて疲れるでしょう?」
そう言って、アリアネが椅子を持ち上げた時であった。
「す、すすす、座って!?座ってなんて!」
「ちょ!?ドビー、声が大きいわ!もしかして、嫌だったかしら?もしそうなら、ごめんなさいね」
「あや、謝られた!?」
「お願いだからドビー、静かにしてちょうだい」
アリアネは困り果てていた。
夜なのだから静かにしなければいけないし、声を聞いたモリーが来れば何故かいるドビーに腰を抜かすかもしれないのだから。
「ドビーをこれまで座ってなんて言ったのは、二人目でございます。まるで対等のように扱ってくださるなんて……!」
「そうなの?」
「ええ、ハリー・ポッターも貴方様と同じことを言ってくださりました」
「ハリー?あなた、ハリーに会ったの?」
「はい。そうです、ドビーはハリー・ポッターにお会いしました」
その言葉を聞いた瞬間、アリアネはベッドの上に座っていたから飛び上がった。