第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】
その日のパーティーは、グリフィンドールのお祭り騒ぎだった。
ごちそうが何時もより美味しく感じながらも、私たちはすばらしい夜を過ごした。
きっとこの夜はずっと忘れることはできないだろう……。
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ー数日後ー
試験の結果が発表された。
ハリーはロンより成績がよくて、かなり驚いていたし私も驚いた。
成績は学年でトップであるハーマイオニーの次によくて、私とハーマイオニーは大喜び。
モリーおばさんや名付け親に良い報告ができると凄く喜んだ。
そしてまた数日もすれば、夏休みがやってきた。
寮の寝室にある洋服タンスの中身はあっという間に空となり、旅行用カバンに荷物がパンパンに入っている。
「あっという間に夏休みね」
「そうね、あっという間だったわ」
私は1枚の注意書きを見て笑う。
注意書きには『休暇中に魔法を使わないように』と書かれている。
フレッドとジョージは『こんな注意書き、配るのを忘れりゃいいのにって、いつも思うんだ』と言っていた。
「さあ、行きましょう!」
「そうね!」
私とハーマイオニーは一緒に寮を出ると、ハリーとロンと共にハグリッドが操作する湖を渡る船に乗り込んだ。
そして全員でホグワーツ特急に乗り込む。
バーティー・ボッツの百味ビーンズを食べたり、蛙チョコレートを食べたりとして汽車の中で楽しい一時を楽しんだ。
「それより、マルフォイのあの固まりようは面白かったな!」
「本当にそうだよ!」
「あの顔は見ものだったわね」
「いい気味よ」
私たちはお菓子を食べながら、マルフォイの事を話したりホグワーツの話をしたりとしていた。
「にしても、100点以上点数を引かれて絶望したかと思えばたくさん加点してもらえるとは思わなかったなあ。ダンブルドアに感謝しなきゃ」
「本当にそうね。あんなに沢山加点してもらえるなんて……」
点数を凄く引かれた時は、凄く絶望したのを覚えている。
だけど、ああして減点されても動いて良かったと今は思っていた。
話をしているうちに、汽車がマグルの街を通り過ぎていた。
皆はマントを脱いで、上着とコートに着替えていれば、キングズ・クロス駅の9と4分の3番線に到着する。
「夏休みに2人とも家に泊まりに来てよ。ふくろう便を送るよ」
「是非泊まりにきて!双子も喜ぶわ」