第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】
だけど直ぐに、全員が大声で話を始める。
私とハリーは直ぐにハーマイオニーとロンを見つけると、彼女たちとところに座った。
皆がハリーを見ようとしているが、私が睨みつけると視線を逸らしている。
「見世物じゃないわよ、まったく……」
「アリアネ、そんなに睨みつけないのよ」
すると、ダンブルドアが現れた。
直ぐにざわつきが消え去り、ダンブルドアは全員を見渡す。
「また1年が過ぎた!」
ダンブルドアの声が響く。
「一同、ごちそうにかぶりつく前に、老いぼれのたわごとをお聞き願おう。何という1年だったろう。君たちの頭も以前と比べて少し何かが詰まっていればいいのじゃが……新学年を迎える前に君たちの頭がきれいさっぱり空っぽになる夏休みがやってくる」
そういえば、色々ありすぎて忘れていたけれどもうすぐで夏休みなのを思い出した。
「それではこので寮対抗杯の表彰を行うことになっとる。点数は次の通りじゃ。4位グリフィンドール 312点、3位 ハッフルパフ 352点 レイブンクローは426点。そしてスリザリン 472点」
スリザリンのテーブルから嵐のような歓声が聞こえてくる。
ちらりとスリザリンのテーブルを見れば、マルフォイがゴブレットを叩いているのが見えた。
それに腹を立ていれば、ダンブルドアが言葉を続けた。
「よし、よし、スリザリン。よくやった。しかし、いつ最近の出来事も勘定にいれなくてはなるまいて」
大広間全体が静かになり、スリザリンの笑い声が聞こえなくなっていく。
「えへん」
ダンブルドアが咳払いをする。
「駆け込みの点数をいくつか与えよう。えーと、そうそう、まず最初は、ロナルド・ウィーズリー君」
名前を呼ばれたロンは顔を真っ赤にさせていた。
「この何年間か、ホグワーツで見ることができなかったような、最高のチェス・ゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに50点を与える」
グリフィンドールから歓声があがった。
「僕の兄弟さ!1番下の弟だよ。マクゴナガルの巨大チェスを破ったんだ」
パーシーが自慢げにしているのが聞こえて、ロンは嬉しげにしていた。
「次に……ハーマイオニー・グレンジャー嬢に……火に囲まれながら、冷静な論理を用いて対処したことを称え、グリフィンドールに50点を与える」