第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】
「あぁ、ダンブルドアってまったく変わっているよな」
「確かにね」
「そうそう。明日は学年末のパーティーがあるから2人とも、元気になって起きなてこなくちゃ。得点は全部計算が済んで、もちろんスリザリンが勝ったんだ。ハリーが最後のクィディッチ試合に出られなかったから、レイブンクローにこてんぱんにやられてしまったよ。でもごちそうはあるよ」
なんてロンが言い終えた時。
マダム・ポンフリーが勢いよく入ってきて、私たちにキッパリと言い放った。
「もう15分も経ちましたよ。さあ、出なさい」
ロンとハーマイオニーは渋々としながらも、医務室を出ていった。
出る際に『お大事に』と言ってくれて、私とハリーは2人に手を振る。
その後はマダム・ポンフリーお手製の苦い薬を飲んだ。
痛み止めとか怪我を早く治す薬らしいけれど、本当に苦くてたまらない。
「私、セブと会いたいわ」
「君ぐらいだよ。スネイプと会いたがるのは」
その夜、私とハリーは会話をしていた。
マダム・ポンフリーがベッドを隣同士にしてくれて、会話をしやすくしてくれたのだ。
「私ね、セブに『大っ嫌い』とか言ったから謝りたくて。それと、セブにもう少し分かりやすい態度をしたりちゃんとした説明をしてもらうよう話すわ。あと、ハリーへの態度を改めるようにも」
「僕は無理だと思うなあ」
「そうかもしれないわね。ハリーへの態度は、百年の恋も冷めちゃったわ」
「……え?恋?え、どういうこと?」
「秘密よ、秘密。さあ、寝ましょう。じゃなきゃ、マダム・ポンフリーに怒られちゃうわ」
ハリーへのひどい態度とかで百年の恋も冷めてしまったけれど、彼個人は好きなままだ。
恋とかじゃなくて、これは親愛の方であり、それは冷めてなんかはいない。
でも、ハリーへの態度は軽蔑しているままだ。
(態度を改めさせたら、また私はセブに恋するのかしら?)
そう思ったけれど、それはないと笑いながら私らベッドに潜り込んだ。
その夜、私とハリーはぐっすり眠ったことやマダム・ポンフリーの薬のおかげで、すっかり怪我は回復していた。
「パーティーに出たいんですけど。行ってもいいでしょうか?」
「お願いします、マダム・ポンフリー」
その日、私とハリーはまだマダム・ポンフリーにお願いをしていた。
また却下されて、一生懸命懇願しなければいけないかなと思っていたけれど……。