第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
その眼差しは見下しているもの。
気分が悪いと思いながら、眉間に皺を寄せていればマルフォイはハリーと私を見る。
「Ms.フリート、ポッター君。そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのとがわかってくるよ。間違ったのとつき合わないことだね。そのへんは僕が教えてあげよう」
マルフォイ家は純血主義じゃなかったかしら。
私は呆れたようにため息を吐きながら、マルフォイから興味無さげに視線を逸らす。
こんな失礼な人間と付き合うつもりはさらさらない。
それはハリーも同じだったみたい。
マルフォイから握手を求めるように手を差し出されていたが、それに手を重ねなかったから。
「間違ったのかどうかを見分けるのは自分でもできると思うよ。どうもご親切さま」
「私も自分で見分けることができているわ。それに、既に見分けることができたわ。性格が悪くて、今後関わるのも嫌なのと、今後関わっていきたい子をね」
私は身を乗り出すと、差し出されていたマルフォイの手を軽く手の甲で叩く。
するとマルフォイは顔を真っ赤にさせていく。
「Ms.フリート、ポッター君。僕ならもう少し気をつけるがね。もう少し礼儀を心得ないと、君たちの両親と同じ道をたどることになるぞ。君たちの両親も、何が自分の身のためになるのかを知らなかったようだ。ウィーズリー家やハグリッドみたいな下等な連中と一緒にいると、君たちも同類になるだろうよ」
その言葉に、私たちは立ち上がる。
そしてロンは顔を真っ赤にさせながら叫んだ。
「もう一ぺん言ってみろ」
「え、僕たちとやるつもりかい」
「いますぐ出ていかないならね」
私は静かにトランクから杖を取り出す。
するとマルフォイは嘲笑いながら、コンパートメントの中を見てくる。
「出ていく気分じゃないな。君たちもそうだろう?僕たち、自分の食べ物は全部食べちゃったし、ここにまだあるようだし」
ゴイルと呼ばれた男の子が、蛙チョコレートに手を伸ばした瞬間だった。
それまで眠っていたスキャバーズが起きて、なんとゴイルの指に噛み付いたのである。
そして、私は杖を手にするとマルフォイの首を突きつけた。
まさかの私の行動に驚いたマルフォイは、顔を真っ青にさせながらゆっくりと後ろに歩き、私は一方前へと歩く。
「今言ったことを訂正しなさい、ドラコ・マルフォイ」