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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】


ロンと対になる黒駒のナイトが、白のクイーンにより床に叩きつけられたのだ。
そしてチェス盤の外に引きずり出されていて、ナイトは身動き出来ずにうつ伏せになっている。

「こうしなくちゃならなかったんだ。君があのビショップを取るためには、道を空けとかなくちゃならなかったんだ。ハーマイオニー、さあ、進んで」

ハーマイオニーも進んでいくけれど、私たちは少しだけ怖かった。
もし負けてしまえばどうなるんだろうという、恐怖心が私たちを襲っている。

「アリアネも動いて。僕が指示を出すから」
「ええ·····、分かったわ」

しばらくすると、負傷した黒駒が壁際に積み上がり出した。
ハリーとハーマイオニーも、私も取られそうになったけれど、ロンがなんとか危機一髪で気づいてとしている。

「詰めが近い。ちょっと待てよ·····うーん·····」
「どうしたの、ロン」

考え込むロンを見上げて声をかければ、彼は『やっぱり·····』と呟いた。

「これしか手はない·····僕が取られるしか」
「駄目よ!!」
「ダメ!!」
「これがチェスなんだ!」
「でも、ロンがどうなるか·····!」

私たちは絶対に駄目だと叫ぶけれど、ロンも譲らずに叫んでいた。

「犠牲を払わなくちゃ!僕が一駒前進する。そうするとクイーンが僕を取る。ハリー、それで君が動けるようになるから、キングにチェックメイトをかけるんだ!」
「でも·····」
「スネイプを食い止めたいんだろう。違うのかい?」
「ロン·····」
「急がないと、スネイプがもう『石』を手に入れてしまったかもしれないぞ!」

こうしてる間にも、セブは石を手にしてしまっているかもしれない。
そしてヴォルデモートに渡されてしまい、ハリーと私は殺されてしまうかもしれないのだ。
それだけはなんとしても避けたい·····私も死にたくない、ハリーを殺させたくない。

「ハリー、行きましょう。セブを止めないと」
「·····うん·····いいかい?」

青ざめているロンにハリーは小さく聞いた。

「じゃあ、僕は行くよ·····いいかい、勝ったらここでぐずぐずしてたらダメだぞ」

ロンが前に出た瞬間だった。
白駒のクイーンはロンの頭を石の腕てま殴りつけて、ロンが床の上に倒れる。

「ロン·····!!」
「動いちゃダメだ、アリアネ!!」
「ロン!!ロン!!」
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