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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第5章 二つの顔をもつ男【賢者の石】


玄関ホールへと歩いている最中、私たちは一言も喋らなかった。
そしてハリーが小さく呟く。

「ダンブルドアのところに行かなくちゃ。ハグリッドが怪しいやつに、フラッフィーをどうやって手懐けるか教えてしまった。マントの人物はスネイプかヴォルデモートだったんだ……ハグリッドを酔っ払わせてしまえば、あとは簡単だったに違いない」

そう、ハグリッドが喋った相手はそしてハグリッドが喋るように仕向けたのはその2人のどちらか。
フラッフィーの手懐け方を知ったということは、賢者の石は盗まれる可能性がある。

「ダンブルドアが僕たちの言うことを信じてくれればちいけど。ベインさえ止めなければ、フィレンツェが証言してくれるかもしれない。校長室はどこだろう?」
「校長室……どこかしら。知らないわ」
「僕もだよ」
「私も知らないわ……」

どうしようかと4人で固まる。
ホグワーツに来てから、校長室なんて行ったこともないし場所さえも知らない。
ダンブルドアに話さなければいけないのに……そう思いながら当たりを見渡した。

矢印か地図があればいいのに。
ホグワーツに来てから、何度もそう思ったけれど今回これほど矢印と地図を求めたのは初めてかもしれない。

「こつなったら僕たちとしては……」

そう、ハリーが呟いた時だった。

「そこの4人、こんなところで何をしているの?」

マクゴナガル先生の声が聞こえ、そちらへと勢いよく振り向いた。
先生は大量の本を抱えていて、私たちを見ながら怪訝そうにしている。

「ダンブルドア先生にお目にかかりたいんです」

ハーマイオニーは恐れずにそう言った。

「ダンブルドア先生にお目にかかりる?理由は?」
「ちょっと秘密なんです」

ハリーがそう言ったけれど、言い方が間違えだった気がする。
マクゴナガル先生の目付きが少しだけ鋭くなっていたから。

「ダンブルドア先生は10分前にお出かけになりました。魔法省から緊急のふくろう便が来て、すぐにロンドンに飛び立たれました」
「先生がいらっしゃない?この肝心な時に?」
「しかも、ロンドンに?」
「ポッター、フリート。ダンブルドア先生は偉大な魔法使いですから、大変ご多忙でいらっしゃる……」

まさか、頼りであるダンブルドア先生がいらっしゃらないとは思ってもいなくて私たちは目を見開かせてしまった。
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