第4章 禁じられた森【賢者の石】
私たちに出来ることはないのかもしれない。
そう思いながら、私は魔法史についての書物を取り出すと暗記を始めた。
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翌朝のこと。
朝食のテーブルには、私とハリーらハーマイオニーとネビル宛の手紙が届いていた。
全員同じ内容の手紙。
『処罰は今夜11時に行います
玄関ホールでMr.フィルチが待っています
マクゴナガル教授』
私たちは処罰がある事を完全に忘れていた。
罰則だけじゃないんだと思いながら、私たちは夜11時にロンに別れを告げてから皆で玄関ホールに向かう。
玄関ホールにはマルフォイがいた。
そして私たちは、マルフォイも処罰を受けることを忘れていたが、素直には喜べずにいた。
「ついて来い」
フィルチはそう言うと、ランプを灯して先に外に出て歩き出す。
「規則を破る前に、よーく考えるようになったろうねぇ。どうかね?」
相変わらず意地の悪い言い方をするフィルチだが、私は食ってかかろうとはしなかった。
した所で、余計に処罰が重くなるか罰則をまたされそうだから。
「ああ、そうだど……私に言わせりゃ、しごいて、痛い目を見せるのが1番の薬だよ。昔のような体罰がなくなって、全く残念だ……手首をくくって天井から数日吊るしたもんだ。いまでも私の事務所に鎖は取ってあるがね……万一必要になった時に備えてピカピカに磨いてあるよ。よし、出かけるとするか。逃げようなんて考えるんじゃないぞ。そんなことしたらもっとひどいことになるからねぇ」
なんて意地が悪いんだろう。
そう思いながら、私たちは真っ暗な校庭を横切って歩いていく。
歩きながらも、罰則はなんだろうと考えていれば行く手にハグリッドの小屋が見えた。
そして遠くから大きな声が聞こえてくる。
「フィルチか?急いでくれ。俺はもう出発したい」
ハグリッドがいることに、私は安堵した。
それはハリーも同じだったよつで、安堵している表情を浮かべている。
そんな顔を、私たちはフィルチに見られてしまった。
「あの木偶の坊も一緒に楽しもうと思っているんだろうねぇ?坊や、お嬢ちゃん、もう1度よく考えた方がいいねぇ……君たちがこれから行くのは、森の中だ。もし全員無傷で戻ってきたら私の見込み違いだがね」
森の中と言われた途端、ネビルが低い呻き声を上げた。
そしてマルフォイもぴたりと動かなくなってしまう。