第4章 禁じられた森【賢者の石】
小屋に向かえば、何故かファングがいた。
しっぽには包帯が巻かれていて、座り込んでいて私たちを見るとしっぽを振り出す。
「ファング!?どうしたのよ、そのしっぽ!」
「もしかしてノーバートに噛まれたの?でも噛まれたら大変なことになるから……」
ファングを撫でてあげながら、しっぽの怪我を心配していると窓が開いた。
そしてハグリッドが顔を覗かせたが、フゥフゥと荒い息をしている。
「中には入れてやれない」
「どうしてなの?ハグリッド」
「ノーバートは難しい時期でな……いや、決して俺の手に負えないほどではないぞ」
「そ、そう……」
取り敢えずと、私たちはチャーリーからの手紙の内容をハグリッドに伝えた。
するとハグリッドは目に涙をいっぱい溜めたかと思えば、突然叫び出したので驚いてしまう。
「ウワーッ!いや、俺は大丈夫。ちょいとブーツを噛んだだけだ……ジャレてるんだ……だって、まだ赤ん坊だからな」
赤ん坊と呼ばれたノーバートがしっぽで壁を叩いたのか、窓がガタガタと揺れている。
早く土曜日にならないと、ハグリッドの小屋は壊れてしまいそうだ。
そしてようやく土曜日が訪れた。
早めにハグリッドの小屋に行きたかったのに、ピーブズが入口のホールで壁にボールを打ち付けてテニスをしていたから、終わるまで待つ羽目になった。
そのせいで、ハグリッドの小屋に3人で辿り着いたのは定より遅い時間。
「長旅だから、ねずをたくさん入れといたし、ブランデーも入れといたよ」
遅くなったが、小屋を訪ねるとハグリッドが大きな木箱にノーバートを入れて準備をしていた。
「淋しいといけないから、テディベアのぬいぐるみも入れてやった」
だけど、小箱からは何かを引き裂く音が聞こえたのできっとテディベアはボロボロなんだろうなあ……と想像しながら苦笑を浮かべた。
そして私たちはノーバートが入った木箱に透明マントを被せる。
「ノーバート、バイバイだよ」
そして私たちも透明マントを被る。
最初はハリーと私の2人で行く予定だったけど、ハーマイオニーも行くと言い出したので3人で。
私たちはまだ身体が小さいから、すんなりと透明マントは私たちを隠していた。
するとハグリッドがしゃくりを上げていた。
「ママちゃんは決しておまえを忘れないよ」
そして私たちはノーバートを連れて歩き出した。