第4章 禁じられた森【賢者の石】
ロンを医務室に運んだ私は、マダム・ポンフリーに授業に行くように促された。
そしてその日の授業を全て終えてから、私はハリーとハーマイオニーと一緒に医務室に飛んでいった。
「ロン!?」
医務室に飛び込むように入れば、ロンはかなりひどい状態でベッドに横になっている。
「手だけじゃないんだ」
「え……!?」
手だけじゃないって、どういう事なんだろう。
「もちろん手の方もちぎれるように痛いけど。マルフォイが来たんだ。あいつ、僕の本を借りたいってマダム・ポンフリーに言って入ってきやがった」
「マルフォイが……?」
「僕のことを笑いに来たんだよ。なんに噛まれたか本当のことをマダム・ポンフリーに言いつけるって僕を脅すんだ。僕は犬に噛まれたって言ったんだけど、たぶんマダム・ポンフリーは信じてないと思う。クィディッチの試合の時、殴ったりしなけりゃよかった。だから仕返しに僕にこんな仕打ちをするんだ」
マルフォイ、相変わらず汚いことをすると怒りが湧き上がる。
そんな中、ハーマイオニーと私はロンを宥めていた。
「土曜日の真夜中にすべて終わるわよ」
「そうよ。だから安心して、ロン」
なんとか宥め手落ち着かせようとした。
だけど、何故か私たちの言葉は逆効果になったようでロンは突然飛び起きて冷や汗を浮かべ出す。
「土曜日0時!」
「どうしたのよ、ロン……」
「あぁ、どうしよう……大変だ……いま、思い出した……チャーリーの手紙をあの本に挟んだままだ。僕たちがノーバートを処分しようとしてる事がマルフォイに知られてしまう」
ロンの言葉に冷や汗が浮かぶ。
そして、私たちが何かを答える間はなく、マダム・ポンフリーが入ってきた。
「ロンは眠らないといかないから」
そう言って、私たちは病室から追い出されてしまった。
「ど、どうするの?マルフォイがあの手紙を読んでいたら……」
「いまさら計画は変えられないよ。チャーリーにまたふくろう便を送る暇はないし、ノーバートを何とかする最後のチャンスだし。危険でもやってみなくちゃ。それにこっちには透明マントがあるってこと、マルフォイはまだ知らないし」
「そうよね……透明マントがあるなら大丈夫よね」
確かに、マルフォイは透明マントの事は知らない。
だから大丈夫だろうと私たちは少しだけ安心してかりハグリッドの小屋へと向かった。