第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
「……ダンブルドアだわ」
「え!?じゃあ、アリアネ全部集めたことになるじゃないか!」
半月形の眼鏡に、鉤鼻で流れるような銀色の髪。
顎髭を蓄えて口髭もある人の名前は、アルバス・ダンブルドア。
私は、赤ちゃんの頃に会ったことがあるらしい。
でもそれ以外は会ったことはなくて、私の誕生日祝いにハグリッドと会った時に色々ダンブルドアについて教えてもらった。
偉大な人で、両親の恩師でもあるんだって。
「この人がダンブルドアなんだ!」
すると、ハリーが驚いたように声をあげた。
「あら、ハリーもダンブルドアだったのね」
「ダンブルドアのこと知らなかったの!?僕にも蛙一つくれる?アグリッパが当たるかもしれない……ありがとう……」
カードを裏返して、また表に返せばダンブルドアは消えていた。
それを眺めていれば、またハリーが驚いた顔をしている。
「いなくなっちゃったよ!」
「そりゃ、一日中その中にいるはずないよ。また帰ってくるよ」
「そうなの?」
「魔法界の写真はね、動くのよ。面白いでしょう?」
マグルの世界の写真は動かないと聞いたことがあり、私はそうハリーに訊ねると、ハリーは何度も頷いていた。
「あ、だめだ、また魔女モルガナだ。もう六枚も持ってるよ……君、欲しい?これから集めるといいよ」
そう言いながら、ロンはちらちらとまだある蛙チョコレートの山を見ていた。
すると見かねたハリーが『開けていいよ』と言えば、ロンは直ぐにカエルチョコレートの箱を開けていく。
「でもね、ほら、何て言ったっけ、そう、マグルな世界では、ずーっと写真の中にいるよ」
「アーサーおじさんに聞いたわ。あ、アーサーおじさんはロンのお父さんね」
「そう?じゃ、全然動かないの?変なの!」
チョコを食べながら、私も二箱目を開ける。
次のカードはアルベリック・グラニオンで、もう既に何枚か持っているカード。
ジニーにあげようかなと思いながらも、私は大鍋ケーキをつつく。
口の中が甘くて幸せ。
そう思いながら食べていれば、ハリーが百味ビーンズを手を伸ばしているのが見えた。
そんな彼にロンが忠告する。
「気をつけたほうがいいよ」
「ええ、ハリー。気をつけた方がいいわ、その百味ビーンズは」
「な、なんでだい?」
「……とんでもないのよ、その百味ビーンズは」