• テキストサイズ

シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第4章 禁じられた森【賢者の石】


それから、午前中の休憩時間に4人で急いで小屋に行こうということになった。
授業が終わるベルが鳴り、私たちは移植ごてを放り投げてから校庭を横切り森のはずれへと急ぐ。

小屋に向かえば、ハグリッドはすぐに私たちを入れてくれる。
ハグリッドは興奮しているようで、頬が紅潮していた。

「もうすぐ出てくるぞ」

テーブルの上に、あの卵が置かれていた。
そして深い亀裂が入ると、中で何かが動いているのが見える。
コツンコツンと、音が聞こえてきて、その様子を私たちは息を飲んで見守る。

暫くすると、突然引っ掻くような音が聞こえて卵がぱっくりと割れた。
そしてドラゴンの赤ちゃんがテーブルに出てくる。

「……小さいわ」

凄く小さい赤ちゃん。
しわくちゃで、痩せている体に大きな骨っぽい翼のある赤ちゃんはくしゃみをした。
すると鼻から火花か散る。

「すばらしく美しいだろう?」

ハグリッドは感動したように呟き、ドラゴンの赤ちゃんを撫でようとする。
すると赤ちゃんはガブリと小さな牙でハグリッドの指に噛み付く。

「こりゃすごい、ちゃんとママちゃんがわかるんじゃ!」
「歯が小さいわね、可愛い!」
「……本気で言ってる?アリアネ」
「……ハリーは、可愛いと思わないの?」

ハリーはギョッとした目で私を見ていて、私は首を傾げるだけだった。
すると私の隣で赤ちゃんを見ていたハーマイオニーがハグリッドに聞く。

「ハグリッド。ノルウェー・リッジバック種ってどれくらいの早さで大きくなるの?」

その時である。
突然、ハグリッドは顔から血の気を引かせて、弾かれたように窓際に駆け寄った。

「ハグリッド?」
「どうしたの?」
「カーテンの隙間から誰かが見ておった……子供だぁ……学校の方に駆けていく」

慌てて私とハリーはドアに駆け寄ると外を見る。
そして遠目だったけれど、走っている子供の姿が見えた。

「……マルフォイだわ」

次の週から、私たちはマルフォイが薄笑いを浮かべているのが凄く気になって仕方ない。
そして私たちは、暇が出来れば小屋に行ってハグリッドを説得していた。

「ハグリッド、小屋にドラゴンを置いておくべきじゃないわ」
「そうだよ。外に放せば?自由にしてあげれば?」
「そんなことはできん。こんなにちっちゃいんだ。死んじまう」
「そうかもしれないけど……」
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp