第4章 禁じられた森【賢者の石】
「だけどまさかイギリスに野生のドラゴンなんていないんだろう?」
「いるともさ」
「え?」
「イギリスにも野生のドラゴンはいるのよ、ハリー」
ロンと私の言葉に、ハリーは驚いた様子を見せる。
「ウェールズ・グリーン普通種とか、ヘブリディーズ諸島ブラック種とか。そいつらの存在の噂をもみ消すのに魔法省が苦労してるんだ。もしマグルがそいつらを見つけてしまったら、こっちはそのたびにそれを忘れさせる魔法をかけなくちゃいけないんだ」
「じゃ、ハグリッドはいったい何を考えてるのかしら?」
「ドラゴンの飼育は違法なのは、知ってるはずなんだけど……」
4人で首を捻りながら考えてみたけれど、答えが見つかることは無かった。
あれから1時間後。
私たちがハグリッドの小屋を訪ねてみれば、何故かカーテンが全部閉まっていた。
ノックをすれば、ハグリッドが警戒したように声をかけてくる。
「誰だ?」
「ハグリッド、私たちよ」
そう言うと、ハグリッドはドアを開けてくれて、中に入るとすぐにドアを閉める。
小屋の中は暑い日だというのに、窒息するんじゃないかというぐらい暑い。
「イタチ肉を挟んだサンドイッチは食べるか?」
「遠慮しとくわ……ハグリッド」
「私も」
「僕も」
「うん、僕も遠慮しとくよ……」
ハグリッドは残念そうにしながらも、お茶を入れてくれた。
「それで、おまえさん、何か聞きたいんだったな?」
「うん。フラッフィー以外に『賢者の石』を守ってるのは何か、ハグリッドに教えてもらえたらなと思って」
単刀直入のハリーの言葉に、ハグリッドは凄く顔を顰めてしまう。
「もちろんそんなことはできん。まず第一、俺自身が知らん。第二に、おまえさんたちはもう知りすぎておる。だから俺が知ったとしても言わん。石がここにあるのにはそれなりのわけがあるんだ。グリンゴッツから盗まれそうになってなあ……。もうすでにそれも気づいておるだろうが。だいたいフラッフィーのことも、いったいどうしておまえさんたちに知られてしまったのかわからんなあ」
流石に、マルフォイと決闘しようとしてフィルチに夜にベッドから抜け出しているところを見つけられそうになって逃げた先がフラッフィーがいる所でした。
なんてハグリッドに言えるわけもなく、私はお茶を一口飲んでから息を吐く。
するとハーマイオニーが優しい声でハグリッドに話す。