第4章 禁じられた森【賢者の石】
辺りを見渡しながらハグリッドはそう言い、ハリーはそんな彼に『じゃ、後で行くよ』と伝える。
そしてハグリッドは大きな体をモゾモゾとさせながら図書館から出て行った。
「ハグリッドったら、なんであんなに挙動不審みたいに動いてたのかしら……」
「それに、ハグリッドったら、背中に何か隠してたわよね」
ハーマイオニーと私はそう呟きながら考え込む。
彼は何かを背中に隠して、挙動不審みたいな行動を取っていた。
何か見られたくないものでも持っていたのかしらと、ハグリッドが出ていった扉の方を見つめる。
「もしかしたら石と関係があると思わない?」
「僕、ハグリッドがどの書棚のところにいたか見てくる」
ロンは勢いよく書棚の方へと行ってしまう。
その間、私たちはハグリッドが何を隠していたのだろうと話し合っていた。
石に関係している本を隠していたのか、それとも違うものだろうかと。
暫くして、ロンが戻ってきた。
でも彼の腕にはどっさりと本があり、テーブルにドサッと音を鳴らしながら本を置く。
「ドラゴンだよ!」
「ドラゴン……?」
「ハグリッドはドラゴンの本を探してたんだ。ほら、見てごらん。『イギリスとアイルランドのドラゴンの種類』『ドラゴンの飼い方ー卵から焦熱地獄まで』だってさ」
するとハリーが何かを思い出したように呟く。
「初めてハグリッドに会った時、ずーっと前からドラゴンを飼いたいと思ってたって、そう言ってたよ」
「ドラゴンを?でも、それは法律違反だわ……」
「そうなの?」
「ああ、アリアネの言う通りさ。僕たちの世界じゃドラゴンを飼うのは法律違反だよ。1709年のワーロック法で、ドラゴン飼育は違法になったんだ。みんな知ってる。もし家の裏庭でドラゴンを飼ってたら、どうしたってマグルが僕らのことに気づくだろ」
ロンの言葉に、私はうんうんと深く頷いてみせた。
「どっちみちドラゴンを手なずけるのは無理なんだ。狂暴だからね。チャーリーがルーマニアで野生のドラゴンにやられた火傷を見せてやりたいよ」
「あの火傷は凄く酷かったわ……見ただけでこっちが痛と思いそうなぐらいだったもの」
チャーリーがルーマニアから帰ってきた時、『火傷をしたんだ』と私たちに傷を見せてきた。
その時、私たちは顔を凄く顰めてしまい、その様子を見ていたチャーリーは笑っていたのを覚えている。