第4章 禁じられた森【賢者の石】
そんな私たちを見て、ハリーとロンも呻いたり欠伸しながらも一緒に図書館で過ごしたり勉強に精を出してくれていた。
「こんなのとっても覚えきれないよ」
ロンはついに根を上げてしまい、羽根ペンを投げ出す。
そして恨めしげに図書館の窓から外を見ていて、私は苦笑を浮かべた。
今日は数ヶ月ぶりの素晴らしい天気なものだから、余計に恨めしげにしている。
「そんな事言わず、覚えて、ロン。ほら教えるから」
「なんでアリアネは覚えれるんだよ……」
「なんでって、強くなりたいから」
「それ、昔から言ってるよなあ。ビルとチャーリーに影響されて呪文を覚えたがって」
はあ……とため息を吐くロンに私はまた苦笑する。
そして、ロンが覚えやすくなる為に本を取りに行こうと立ち上がればハリーがほんをさがしついるのに気がつく。
「どの本を探しているの?」
「薬草ときのこの千種とハナハッカていう本だよ」
「その本なら……」
屈んでから本棚を見ようとした時である。
「ハグリッド!図書館で何してるんだい?」
ロンの声が聞こえて、私とハリーはそちらへと顔を覗かせた。
するとそこにはモジモジとバツの悪そうな顔をしているハグリッドがいて、背中には何かを隠している。
「いや、ちーっと見てるだけ」
誤魔化しているようなハグリッドに、私は目を細める。
何を隠しているんだろうと私たちが興味津々となれば、ハグリッドは突然私たちに疑わしげに尋ねてきた。
「おまえさんたちは何をしてるんだ?」
「何って、何?」
「まさか、ニコラス・フラメルをまだ探しとるんじゃないんだろうね」
「そんなのもうとっくに昔にわかったさ。それだけじゃない。あの犬が何を守っているかも知ってるよ。『賢者のいー』」
「シーッ!」
ロンの言葉を、ハグリッドが慌てて遮った。
そして辺りを慌てながら見渡してから、私たちに小声で話してくる。
「そのことは大声で言いふらしちゃいかん。おまえさんたち、まったくどうかしちまったんじゃないか」
「ちょうどよかった。ハグリッドに聞きたいことがあるんだけど。フラッフィー以外にあの石を守っているのは何なの?」
「シーッ!いいか、後で小屋に来てくれや。ただし、おしえてやるなんて約束はできねえぞ。ここでそんなことをしゃべりまくられちゃ困る。生徒が知ってるはずはねーんだから。俺がしゃべったと思われるだろうが……」