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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第4章 禁じられた森【賢者の石】


声を辿るように視線をさ迷わせながら、セブの姿を探していれば夜の森の中にセブを見つけた。
だけどセブは一人じゃなくて、そこにはクィレル先生の姿も。

(クィレル先生……?顔はよく見えないけど、声なら聞こえるわね)

ハリーと一緒に木の影に隠れながら、私たちは聞き耳を立てる。

「……な、なんで……よりによって、こ、こんな場所で……セブルス、君にあ、会わなくちゃいけないんだ」
「このことは二人だけの問題にしようと思いましてね。生徒諸君に『賢者の石』のことを知られてはまずいのでね」

賢者の石という言葉に、私とハリーは息を飲んだ。
するとクィレル先生はセブに何かを言おうとしたけれど、セブに遮られる。

「あのハグリッドの野獣をどう出し抜くか、もうわかったのかね」
「で、でもセブルス……私は……」
「クィレル、吾輩を敵に回したくなかったら」
「ど、どういうことなのか、私には……」
「吾輩が何が言いたいか、よくわかってるはずだ」

脅しのようにも思える言葉に、顔を顰めていれば何処かでふくろうの鳴く声が聞こえる。
その音に驚いたハリーと私は、思わず木から落ちそうになってお互い抱き締め合いながらバランスとを取った。

(危なかったわ……)

心臓がバクバクと音を鳴らしている。
二人で息を吐きながらも、またセブとクィレル先生の話に耳を傾けた。

「……あなたの怪しげなまやかしについて聞かせていただきましょうか」
「で、でも私は、な、何も……」
「いいでしょう。それでは、近々、またお話をすることになりますな。もう一度よく考えて、どちらに忠誠を尽くすのか決めておいていただきましょう」

セブはそう言い残すと、またマントを頭から被ってその場を後にした。
クィレル先生はそんなセブの後ろ姿を見ながら立ち尽くしている。

「……ハリー、戻りましょう」
「うん」

二人で箒に乗り、急いで城へと向かう。
私はセブとクィレル先生のことを思い出しながら、ハリーのローブを掴む。

「アリアネ、君は信じたくないかもしれないけれどやっぱりスネイプは賢者の石を狙っていたんだ。クィレル先生を脅してまで、賢者の石を狙っているんだよ」
「……うん」
「戻ったら、ハーマイオニーとロンに話さなきゃ」
「そうね」

やっぱりセブは賢者の石を狙っている。
その事に私は何とも言えない、複雑な気分で城に戻るのだった。
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