第4章 禁じられた森【賢者の石】
「前々から思ってたけど、アリアネって結構えげつないよな」
「そうかしら?」
そして私たちはグランドから城へと戻っていく。
だけど途中で、ハリーの事が少し心配になって私は彼がいるであろう箒置き場へと向かう。
見てたところ、ハリーが何か呪文をかけられた様子はなかったけど、不安なのは不安なので。
私は駆け足で箒置き場へときた。
そして辺りを見渡していれば、ハリーが木の扉に寄りかかっているのを見つける。
「ハリー!」
「アリアネ!」
私はハリーに駆け寄ると、そのまま彼に抱きつく。
するとハリーも私を抱き締め返してくれる。
「おめでとう、ハリー!凄かったわ!」
「ありがとう、アリアネ!それより、どうしたんだい?こんなところに来て」
「ちょっとね、貴方が心配だったの。見てた感じ、何か呪文をかけられたいるようには見えなかったけれど……心配で。ロンとハーマイオニーを置いてきちゃったわ」
「うん、特に何もされていないよ。でも、二人とも急に君がいなくなったなら心配してるんじゃない?」
「そうかもしれないわ。急いで戻らないと……ハリーももう戻るでしょう?」
「ああ、戻るよ」
そんな話をしていれば、城の正面階段をフードを被った誰かが急ぎ足で降りいていくのが見えた。
明らかに人目を避けているような歩き方をしている人は、禁じられた森へと入っていく。
「……誰かしら」
「スネイプだよ、アリアネ。ほら、よく見て。あのヒョコヒョコ歩きしてるのはスネイプぐらいだ」
「セブ……?でも、なんで禁じられた森に……」
なんで、禁じられた森に入っていくんだろう。
そう思っていば、ハリーが突然腕を掴んできた。
「追いかけよう。後ろ、乗って!」
「う、うん……!」
ハリーに言われ、私はニンバスに乗ったハリーの後ろに乗った。
そして箒は飛び上がると城の上をそーっと、滑走してセブを追いかける。
「あ、見失った……!」
木が深々と繁りだした途端、セブを見失った。
ハリーは円を描きながら高度を下げていき、気の梢の枝に触れるほどの高さまで降りた時である。
「ハリー、誰かの声が聞こえるわ」
私はハリーの背中にしがみつきながら、小声でそう囁く。
誰かの声が聞こえてきているのを、ハリーも確認してから、声の方へと移動していく。
そしてとある木の上に、ハリーと共に降りた。