第4章 禁じられた森【賢者の石】
だけど、今回のネビルは黙っているままじゃなかった。
「マルフォイ、ぼ、僕、君が10人束になってもかなわないぐらいの価値があるんだ」
ネビルの言葉に、マルフォイとクラッブやゴイルは大笑いしている。
だけど私たちはネビルに『よく言ったわ!』と褒めた。
「そうだ、ネビル、もっと言ってやれよ」
「それに、気の毒な人なんて言うなら貴方も入りなさいよ、マルフォイ。可哀想に貴方たち一家は魔法で操られて例のあの人に加担していたらしいから?」
「な!?」
マルフォイがギョッとした顔になる。
だけど負けじと言い返してきた。
「ロングボトム、もし脳みそが金でできてるなら、君はウィーズリーより貧乏だよ。つまり生半可な貧乏じゃないって事だ。ああ、フリート、君も貧乏なんじゃないか?ウィーズリーで育てられた、親もいない哀れな女なんだからな」
「ウィーズリー家をこれ以上馬鹿にしてみなさい!本気で貴方の舌を切り取ってお父様に送るわよ!誰かハサミ持ってない!?」
「アリアネ、落ち着けよ。マルフォイ、これ以上一言でも言ってみろ。ただでは……」
「ロン!アリアネ!」
誰かにハサミを借りて、本気で舌を切り取ろうとした時であった。
突然ハーマイオニーが叫んだ。
「ハリーが!」
「え!?ハリーがどうしたの!?」
「何?どこ?」
ハーマイオニーに言われ、グランドを見ればハリーが急降下を始めていた。
素晴らしい箒の扱いに、観衆たちは息をのんでいて大歓声を上げている。
「運がいいぞ。ウィーズリー、ポッターはきっと地面にお金が落ちているのをみつけたに違いない!」
マルフォイの言葉に、舌を本気で引っこ抜こうかと思った時である。
ロンがついに切れてしまい、気がつけばマルフォイに馬乗りになっていた。
ネビルはそんな状況にひるんではいたけれど、助成に加わっている。
「ロン、マルフォイは任せたわ!私そんなやつを相手にしてるほど、暇じゃないから!ハリーが心配だわ!」
「こういう時、君も加勢しろよ!喧嘩は得意だろう!?」
「別に得意じゃないわ!頑張れ、ハリー!」
マルフォイを殴るより、ハリーを応援するほうが大事。
だけどさりげなくマルフォイの頭を、思いっきり足で蹴り上げた。
「貴方がマルフォイをボコボコにしたあとに、そいつの舌を引き抜くから失神でもさせておいて!ハリー!頑張れ!」