第4章 禁じられた森【賢者の石】
なんて話している時、ネビルが突然談話室に倒れ込んできた。
驚いていれば、ネビルの両足がぴったりとくっついていて、『足縛りの呪い』をかけられたようだ。
ウサギ跳びしながら、ここまで来たのだろう。
そう思った皆は笑い転げていたけれど、私とハーマイオニーだけは笑わずに彼に駆け寄った。
「ネビル、大丈夫なの?」
「どうしたの?」
ハーマイオニーが直ぐにネビルの呪いをといてやり、私は『足が痛い』という彼に痛みを和らげる呪文をかけてあげた。
そしてネビルを座らせてから、何が起きたかを聞く。
「マルフォイが……」
「マルフォイに、何かされたの?」
「図書館の外で出会ったの。だれかに呪文を試してみたかったって……」
「なんで、そのままここ来たのよ!」
「マクゴナガル先生のところに行きなさいよ!マルフォイがやったって報告するのよ!」
「それかやり返しなさいよ、馬鹿ね!」
だけど、ネビルは首を横にふるだけ。
「これ以上面倒はいやだ」
「嫌だって、貴方ね……」
「ネビル、マルフォイに立ち向かわなきゃだめだよ。あいつは平気でみんなをバカにしてる。だからといって屈服してヤツをつけ上がらせていいってもんじゃない」
「それにネビル、貴方は理不尽に呪文をかけられたのよ?やり返しても文句は言われないわ」
でもやっぱりネビルは首を横に振るだけ。
そんな彼に私は困ってしまった。
「僕が勇気がなくてグリフィンドールにふさわしくないなんて、言わなくってもわかってるよ。マルフォイがさっきそう言ったから」
「ネビル……」
すると、突然ハリーはポケットをまさぐって蛙チョコレートを取り出した。
それはハーマイオニーがクリスマスにハリーにあげたもので、それを今にも泣き出しそうなネビルに差し出す。
「マルフォイが十人束になったって君には及ばないよ。組み分け帽子に選ばれて君はグリフィンドールに入ったんだろう?マルフォイはどうだい?腐れスリザリンに入れられたよ」
ハリーの言葉に、ネビルは少しだけ元気が出たみたい。
微かに微笑みながら蛙チョコレートを開けてから、おまけのカードを渡す。
「ハリー、ありがとう……僕、もう寝るよ……カードあげる。集めてるんだろう?」
ネビルはカードを渡すと寝室へと行ってしまった。
そんな彼を見ながら、今度マルフォイに合ったら凝らしめてやらないとと拳を握りしめる。