第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
三日目の夜。
私はハリーと鏡の所に行くところを約束していた。
そして私は談話室にて、ハリーが来るのを待っていれば足音が聞こえてくる。
「ハリー?」
声をかければ、バサッと音が鳴って目の前にハリーが現れた。
「行こう、アリアネ。ロンにバレないうちに」
「ええ」
私とハリーは透明マントを被ってから、寮を出るとあの部屋へと向かう。
ただ早くあの鏡が見たいという気持ちのせいなのか、私たちは足音を立てたしまっていて、用心が足りなかったと後で思ってしまった。
そして鏡の元にやってきた。
ハリーと私は鏡の目の前に座りながら、お互いの家族を見つめる。
「やっぱり、私はハリーしか映っていないように見えるのよね」
「僕もだよ·····不思議だね」
「うん·····」
鏡には、私の両親が優しく微笑んでいた。
私が望んでいる光景だなあ·····と思っていた時である。
「ハリー、アリアネ。また来たのかい?」
突如声が聞こえてきて、私は飛び上がってしまう。
そして声が聞こえてくる方へと視線を迷わせていれば、そこにある人がいた。
壁際の机に、ダンブルドアが腰掛けていた。
私たちは鏡がみたい一心で、彼のことに気づいて居なかったみたい。
「ダンブルドア·····!?」
「ぼ、僕たち、気づきませんでした·····」
「透明になると、不思議にずいぶん近眼になるんじゃのう。アリアネは少し視力が落ちるのかな」
怒られるのかなと思ったけれど、ダンブルドアの優しい微笑みに安堵してしまう。
そしてダンブルドアは私たちの元に来ると、一緒に床に座った。
「君たちだけじゃない。何百人も君たちと同じように『みぞの鏡』の虜になった」
「みぞの鏡·····」
「先生、僕、そういう名の鏡だとは知りませんでした」
「この鏡が何をしてくれるのかはもう気づいたじゃろう」
「鏡は·····僕の家族を見せてくれました·····」
「そしてアリアネはアリアネの家族が。そして君たちの友達のロンには、首席になった姿をね」
「どうしてそれを·····」
「なんで、知っているんですか·····?」
私とハリーは驚いた。
何故、三日前の夜のことをダンブルドアは知っているのだろうと。
するとダンブルドアは穏やかな声で、そしていたずらっ子のように笑いながら言った。