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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】


その途端であった。
ミセス・ノリスの光る目がドアの向こうから現れて、その姿を見た瞬間私たちは声を潜める。
もし声を出したり音がしただけで、ミセス・ノリスにバレるかもしれないと思いながら緊張が漂う。

暫くすれば、ミセス・ノリスはくるりと方向を変えると行ってしまった。
その事に安堵して私たちは息を吐き出す。

「まだ安心はできない。フィルチのところに行ったかもしれない。僕たちの声が聞こえたに違いないよ。さあ」

ロンは私とハリーを部屋から引っ張りだし、私たちは寮へと戻ったのであった。


❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈

次の朝。
雪はまだ溶けてはいなくて、外では雪合戦をしている生徒たちの姿が窓から見える。
そんな姿を見ながら、私は昨夜の事を思い出していた。

鏡には、私の両親が映っていた。
死んでしまった、二度と会えない、たった一年しか一緒に居ることが出来なかった両親。

(もう一度、あの鏡をみたい·····)

なんて思っていれば、ロンが私とハリーに声をかけてきた。

「ハリー、アリアネ。チェスしないか?」
「私はいいわ·····」
「しない」
「下におりて、ハグリッドのところに行かないか?」
「私は、行かないわ·····」
「うぅん·····君が行けば·····」

私とハリーはそんな返事をする。

「ハリー、アリアネ。あの鏡のことを考えているだろう。今夜は行かない方がいいよ」

ロンにまさか思っていることを気付かれるとは思わず、少しだけ驚いてしまった。
そしてハリーが不思議そうにロンに訪ねる。

「どうして?」
「わかんないけど、なんだかあの鏡のこと、悪い予感がするんだ。君はすいぶん危機一髪の目に会ったじゃないか。フィルチもスネイプもミセス・ノリスもうろうろしているよ。連中に君が見えないからって安心はできないよ。君にぶつかったらどうなる?もし君が何かをひっくり返したら?アリアネも、危険なことしたら駄目だ。君が危険な目にあえば·····」
「ハーマイオニーみたいなこと言うね」
「ええ。ロン、貴方、ハーマイオニーみたいだわ」
「本当に心配しているんだよ。ハリー、アリアネ、行っちゃだめだよ」

だけど、私とハリーは鏡の所に行きたいとしか思わなかった。
だってもう一度、何度でも両親に会いたかったから·····。
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