第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
ハーマイオニーからも届いていた。
中身は私が大好きな糖蜜パイであり、私は嬉しくて少しだけ食べてしまう。
そしてあと二つ、包みが置かれていて一つを手に取ってから目を見開く。
「·····毎年、送ってくれてありがとう」
私が手にしていたのは、名付け親からのプレゼント。
中身はなんだろうと開けてみれば、そこにはラピスラズリ色のカーディガンが入っていた。
フワフワとした生地のカーディガンに私は顔を埋める。
「お礼の手紙、書いて私も何か送らなきゃ·····」
さて、あとは最後の一つ。
誰かだろうと思い、添えられた手紙を開けてみた。
君のお父さんの遺品だ。
これは君の為にお父さんが作ったものでもある。
肌身離さず持っていなさい。
このネックレスは色んな魔法を君から守ってくれる魔法がかけられているからね。
メリークリスマス
手紙を読んでから、箱の中を開ける。
そこには真っ白な雫型の飾りが付けられたネックレスが入っていた。
「私の、父さんの遺品で·····私のために作ったもの」
どんな魔法からも守ってくれるなんて、そんなすごいものを父さんは作っていたなんて知らなかった。
私は驚きながらも、ネックレスを首につけてから雫型の飾りを見つめる。
「綺麗·····」
母さんの形見は持っていたけれど、父さんの形見は持っていなかった。
だから凄く嬉しくて、目頭が少しだけ熱くなるのを感じて目元を少し抑える。
「でも、誰からのプレゼントなんだろう·····」
名付け親なら名前が書いてあるはずだけど、名前が書いていなければ、見覚えのない文字である。
一体誰が私に送ってきたのだろうと不思議に思いながらも、私は着替えてから談話室に向かうことにした。
ネックレスが光に当たってキラリと光っている。
それが綺麗でじっと見ながら、談話室に向かえばまだロンとハリーの姿はない。
「まだ、眠ってるのかしら·····?」
首を傾げてから暖炉の方へと向かおうとした時だった。
「「わあっ!!」」
「きゃっ!?」
誰もいない所から突如、大きな声が聞こえて私はその場に尻もちをついてしまう。
心臓がバクバクとしていて、目を見開かせていれば誰も居なかったはずの場所からハリーとロンが姿を現したのである。
「ハリー、ロン!?貴方たち·····え!?どいうことなの!?」