第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
「私も男の子だったら良かったかも·····」
「どうしたんだよ、急に」
閑散とした談話室で、私たち三人は暖炉のそばの心地よい肘掛椅子に腰掛けていた。
そして談話室に持ち込んだパン、トースト用のクランペット、マシュマロを串にさして炙る。
「寝室、一人だけだから寂しいのよ·····」
「ああ、そうか·····。僕たちの所に来るかい?」
「楽しそうだけど、遠慮しとくわ。もし先生にバレたら雷落とされそうだもの」
「僕たちが女子寮の寝室に忍び込んでも、色々やばいだろうしな」
なんて話ながら、私たちは他にマルフォイを退学される策を練ったりとする。
勿論実際は上手くいく話じゃないけれど、話すだけでも楽しかったから少しだけ寂しさが紛らわせることが出来た。
時折、チェスもしたりと遊んだ。
ハリーは魔法界のチェスを知らないから、かなり驚いて困惑していた。
だって駒が勝手に叫んで喋ったりするから。
「·····昔は、あの人ともクリスマスを楽しんだわね」
クリスマス・イブの夜。
私は一人だけの寝室で、ベッドに潜り込みながら小さく呟いた。
(二人だけで、豪華でもないれど楽しいクリスマスだったなあ·····。無理して、プレゼントも買ってくれたり)
そういえば·····と、私は耳から外していたピアスを手に取る。
真っ赤な雫型のピアスは、私が六歳のクリスマスの時に名付け親が送ってきた物。
「母さんの、形見のピアス·····」
また、いつかあの人と共にクリスマスを過ごせるかな。
そう思いながら、私はピアスを握りながら眠りにつくのだった。
クリスマス当日。
鳥の声で目を覚ました私は、まだ重たい瞼を必死に開けながら目を擦った。
そして、ベッドの足元に置かれた小さなプレゼントの山が目に入る。
「クリスマスプレゼントだ·····」
ベッドから降りてから、プレゼントを一つ手に取る。
そこには『アリアネへ ハグリッドより』と書かれた手紙が添えられている。
中身は荒削りの木の横笛があって、可愛らしくて私は笑みが零れた。
「あ、こっちはモリーおばさんからだわ。ふふ!」
毎年恒例の、ウィーズリー家特性セーター。
私のは目の色に合わせて何時も赤色のセーターで、外で着るのはちょっと恥ずかしいから何時も部屋着にしている。
「お礼の手紙を書かなきゃ!あとは·····」