第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
なんて話をしていると、ひょこっととある女性が顔を覗かせた。
「君たち、何を探しているの?」
話しかけてきたのは、司書のマダム・ピンス。
彼女の登場に私たちは少しだけたじろいでいたが、直ぐにハリーがしどろもどろと答える。
「いえ、別に」
「それなら、ここから出た方がいいわね。さあ、出て。出なさい!」
あっという間に、私たちは追い出されてしまった。
図書館を追い出された私たちは、少しため息を吐き出してからロンとハーマイオニーが出てくるのを待つ。
「追い出されちゃったわね」
「そうだね。もう少し、気の利いた言い訳を言えばよかったよ。まあ、だけどあの人にフラメルの事は聞けないしね」
私達四人の間では、マダム・ピンスにはフラメルのことは聞かないという了解が出来ている。
聞けば教えてくれるかもしれないけれど、もしかしたらセブの耳に話が入るかもしれないからだ。
そんな危険は犯せないから、彼女には聞かないと決めた。
二人がフラメルについての本を見つけてくれたらいいけれど·····。
なんて思っているけれど、私とハリーはあまり期待なんてしていなかった。
だって既に、私たちはフラメルについての本を探して二週間も経っているから。
「授業の合間だから、探せる時間も短いものね·····。なかなか探せれないわ」
「それに、マダム・ピンスに監視されてるしね。あの監視が無くゆっくりと探せれたらいいんだけど」
そんな会話をしていれば、ロンとハーマイオニーが首を横に振りながら出てきた。
今回もなにも収穫無しであり、私たちは肩を落としながら昼食へと向かう。
「私が家に帰っている間と探すでしょう?見つけたら、ふくろうで知らせてね」
「君の方は、家に帰ってフラメルについて聞いてみて。パパやママなら聞いても安全だろう?」
「ええ、安全よ。二人とも歯医者だから」
「あら、ハーマイオニーのご両親は歯医者さんなのね」
「ええ、そうよ。もし歯について困っていたら、相談してちょうだい」
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クリスマス休暇になって、最初は少し楽しかった。
誰もいない寝室に閑散としている談話室は何時もと違うのでワクワクしていたけれど·····。
「少し、寂しいわね」
何時もならハーマイオニーたちがいる寝室は、がらんと静かで寂しくなってきた。
談話室に行けば、ハリーとロンがいるけれど寂しい。