第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
あからさまなスリザリン生への態度に、ロンとハグリッドがムッとした表情になる。
そしてセブは私に視線を少しだけ送るが、直ぐにその場から居なくなってしまった。
マルフォイとクラッブにゴイルはニヤニヤとしていたが、私がローブから杖を取り出すと顔を青ざめてそそくさと逃げていく。
「杖見て逃げるなんて、弱虫にも程があるわね」
「おまえさんは相変わらず、喧嘩っ早いなあ·····」
「あいつら·····覚えてろ。いつか、やっつけてやる·····」
「マルフォイもスネイプも、二人とも大嫌いだ」
「頭にくるわ·····。いつか泣かせるわ」
三人でそう言い合っていれば、ハグリッドが苦笑を浮かべていた。
「さあさあ、元気だせ。もうすぐクリスマスだ。ほれ、一緒においで。大広間がすごいから」
私たち四人はハグリッドと共に、大広間へと向かった。
大広間ではマクゴナガル先生とフリットウィック先生が忙しくなくクリスマスの飾りつけをしている。
「わあ·····!」
「凄いわ!」
ハーマイオニーと一緒に、大広間の飾り付けを眺める。
煌びやかな飾り付けは、心をワクワクとさせて自然と笑みが零れてしまう。
「ああ、ハグリッド、最後のもみの木ね。あそこの角に置いてちょうだい」
柊に宿り木の綱のように編み込まれた飾り、十二本のクリスマスツリー。
氷柱で光っているツリーもあったり、何百という蝋燭もあって素敵だった。
「休みまであと何日だ?」
ハグリッドはもみの木を角に置きながら、そう訊ねてきた。
「あと一日よ。そう言えば、ハリー、ロン、アリアネ。昼食まで三十分もあるから、図書館に行かなくちゃ」
「ああそうだった」
「そうね、早く図書館に行きましょう」
私たちが図書館に行くため、大広間を出ればハグリッドも着いてくる。
「図書館?休み前なのに?おまえさんたち、ちぃっと勉強しすぎじゃないか?」
「勉強じゃないんだよ。ハグリッドがニコラス・フラメルって言ってからずっと、どんな人物か調べているんだよ」
「なんだって?」
ハグリッドがハリーの言葉にギョッとしたように驚いていた。
そして慌てるかのように、私たちに話しかけてくる。
「まあ、聞け。俺が言っただろうが、ほっとけ。あの犬が何を守っているかなんて、おまえさんたちには関係ねえ」