第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
私の言葉に、ハーマイオニーが吹いてしまう。
ロンとハリーも笑っていて、マルフォイは怒鳴りたかったのだろうけれど丁度隣にセブがいて怒鳴ることが出来なったらしい。
セブとはあれ以来、口を効いていない。
会っても頭を下げたりするだけで、会話もほとんどしていない状態だ。
(別に、構わないわ·····これで)
そう、これでいい。
なんて思っているのに、私は会話出来ていないことが寂しくと思っていた。
「そういえば、アリアネはホグワーツに残るのよね?」
「ええ、そうよ。モリーおばさん·····ロンのお母さんとお父さんは二番目のお兄ちゃんに会いに行くから私とロンと双子は残ることになったの」
ルーマニアにいるチャーリーに会うから、今回はホグワーツで過ごして欲しい。
そう手紙が来たので、私たちはホグワーツで過ごすことが決まったのである。
ホグワーツに残るのは勿論、ハリーもだ。
聞けば、叔母の家には帰りたくないということで、私とロンは『帰らなくていい』と頷いた。
「でも、生徒が少ないホグワーツで過ごすものちょっと楽しみね」
「あら、そう?」
魔法薬の授業が終わり、地下牢を出ると廊下を塞ぐようにもみの木が置かれていた。
木の下には大きな足があり、ふうふうと疲れたように息を吐いているのが聞こえる。
ハグリッドがもみの木を運んでいたのだ。
「やあ、ハグリッド、手伝おうか」
ロンがそう聞くと、ハグリッドはにっこりと笑う。
「いんや、大丈夫。ありがとうよ、ロン」
「大きなもみの木ね!凄いわ」
なんて話している時だ。
「すみませんが、そこどいてもらえませんか」
マルフォイが気取ったように言う。
「ウィーズリー、お小遣い稼ぎですかね?君もホグワーツを出たら森の番人になりたいんだろう。ハグリッドの小屋だって君たちの家に比べたら宮殿みたいなんだろうねえ」
ロンがマルフォイの胸ぐらを掴んだ時である。
セブが階段を上がってきた。
「ウィーズリー!」
すると、ハグリッドがロンを庇ってくれた。
「スネイプ先生、けんかを売られたんですよ。マルフォイがロンの家族を侮辱したんでね」
「そうだとしても、喧嘩はホグワーツの校則違反だろう、ハグリッド。ウィーズリー、グリフィンドール五点減点。これだけですんでありがたいと思いたまえ。さあ、諸君、行きなさい」