第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
スリザリンはというと、点を取られて悔しいのかヤジを飛ばしたりため息をついたりしていた。
そんなスリザリンにいい気分になっている時。
「ちょいと詰めてくれや」
「ハグリッド!」
「あら、ハグリッド!見に来たの?」
私とロンとハーマイオニーはギュッと詰めてから、ハグリッドが座れるように広く場所を空ける。
「俺も小屋から見ておったんだが·····やっぱり、観客の中で見るのとはまた違うのでな。スニッチはまだ現れんか、え?」
ハグリッドは首からぶら下げている、大きな双眼鏡をポンポンと叩いた。
そして飛んでいる選手たちを見ながらも私たちに声をかけてくる。
「まだだよ。いまのところハリーはあまりすることがないよ」
「トラブルに巻き込まれんようにしておるんだろうが。それだけでもええ」
「ハリーはあそこで飛んでいるのね·····」
シーカーは狙われると聞いている。
だから、スニッチが現れるまでハリーは飛んでいるのだろう。
ハリーはアンジェリーナが点を入れた時に、嬉しそうに2・3回宙返りしていた。
一度だげ、ブラッジャーが大砲の弾のような勢いでハリーを襲おうとしたが、彼はひらりと交わしていた。
するとフレッドだろう双子が、玉を追いかけながらハリーの元に行っているのが見える。
「あれ、フレッドよね?」
「たぶん!」
ロンに声をかければ、彼は頷いていた。
そしてフレッドは何かをハリーに叫びながら、ブラッジャーをマーカス・フリント目掛けて勢いよく叩きつける。
「さて今度はスリザリンの攻撃です。チェイサーのピュシーはブラッジャーを二つかわし、双子のウィーズリーをかわし、チェイサーのベルをかわして、ものずこい勢いでゴ·····ちょっと待ってください。あれはスニッチか?」
空に金色の物が勢いよく飛んでいた。
ピュシーは左耳を掠めたそれに振り返る事を気を取られてクアッフルを落としてしまっている。
それに観客たちがザワついた。
「スニッチだわ!」
スニッチが現れた瞬間、皆の興奮が一気に高まっていく。
そしてスニッチを見つけたハリーは金色の光線を追いかけて急降下していった。
スリザリンのシーカーなのだろう選手もまた、スニッチを追っていき二人は追いつ追われつの大接戦。
「負けるなハリー!!」
「ハリー!頑張って!!」
歓声もまた高まっていくのが分かる。