第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
私は、ロンとハーマイオニーとネビル、シェーマスにウエストハム・サッカーチームのファンのディーン達と共に一緒に最上段を陣取っていた。
「ハリーをびっくりさせてやろうぜ。スキャバーズが·····齧っちゃってるけど」
私たちはハリーを驚かせようと、スキャバーズが齧ってボロボロにしたシーツで大きな旗を作った。
シーツには『ハリーを大統領に』と書いていて、その下に絵が上手なディーンがグリフィンドール寮のシンボルであるライオンを描いている。
そして私とハーマイオニーはちょっとだけ複雑な魔法をかけて、絵がいろんな色に光るようにした。
これでだいぶ目立つし、ハリーにもよく見えるだろう。
「凄く楽しみだわ」
「早く試合時間にならないかな」
「なんだか私まで緊張してきたわ·····」
暫くして、更衣室から選手たちが出てくる。
そこには勿論ハリーの姿があり、大歓声が巻き起こった。
クィディッチの試合の審判はフーチ先生。
彼女は競技場の真ん中に立ち、箒を手にして両チームを待っていた。
「さあ、皆さん、正々堂々戦いましょう」
フーチ先生は皆に言っているわけじゃなくて、スリザリンのチームの一人の目を見て言っていた。
それに気が付いた私はロンに声をかける。
「ねえ、あの言葉·····スリザリンの人に言ってるわよね」
「フレッドたちが言ってた。あそこにいるスリザリンのキャプテンの五年生いるだろう。マーカス・フリントって言うんだけど、正々堂々戦わないんだよ。汚いやり方したりね」
「そうなのね。凄く、スリザリンらしいわ·····」
「ハリー、目をつけられなきゃいいけど」
すると、ハリーがこちらへと視線を投げてきた。
旗を見てから少し目を見開かせたけれど、直ぐに笑顔を浮かべている。
「ハリー!頑張って!!」
「頑張れよハリー!!」
「ハリー!!頑張ってー!!」
手を振りながら声援を送っていれば、いよいよ試合が始まる。
「よーい、箒に乗って」
ハリーたちは箒に乗り、姿勢を低くする。
そしてフーチ先生が銀色の笛を高らかに鳴らし、十五本の箒が空へ舞い上がった。
試合開始である。
「さて、クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンが取りました。なんて素晴らしいチェイサーでしょう。その上かなり魅力的であります」
「ジョーダン!」
「失礼しました、先生」