第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
その夜のこと。
グリフィンドールの談話室は凄く騒がしくて、私とハリーとロンにハーマイオニーは一緒に窓際に座っていた。
私とハーマイオニーの二人で、ハリーとロンの呪文の宿題を見ていたのである。
「答えを丸写しさせてくれたらいいのに·····」
「それじゃ覚えないでしょ?」
「覚える為にも、丸写しするのは禁止よ」
そう言いながらも、私とハーマイオニーは二人が分からないところを結局答えを教えたりしていた。
暫くすると、ハリーはそわそわとしていて宿題が終わった途端立ち上がった。
「ハリー?」
「僕、スネイプに本を返してもらってくる」
まさかの宣言に、私たち三人はギョッとした。
「「「一人で大丈夫?」」」
そして私たち三人の声が揃ってしまう。
だけどハリーは勝算があると言って、談話室を出ていってしまった。
本を返してもらうだけだから、減点されることはないかもしれないけれど、嫌味をまた言われるかもしれない。
何も無ければいいんだけれど。
そう思いながら、ハリーが帰ってくるまで私はロンとハーマイオニーと雑談をしていた。
「ハリー、ちゃんと返してもらえたかしら?」
「どうでしょうね·····。セブ·····じゃない、スネイプ先生も流石に本を没収したままにもしないでしょう」
「それはどうかな。あの性格が曲がった男だよ、そうそう簡単に返すと思うか?それに、スリザリンが負けないために、クィディッチについての本なんて返さないかも」
そんな話をしていると、ハリーが勢いよく談話室に入ってきた。
肩で息をしていて、明らかに走ってきたのが分かる。
「返してもらった?どうかしたのかい」
「走ってきたの?」
なんて声をかければ、ハリーはヒソヒソ声で何があったかを教えてくれた。
職員室に行った時、セブの片方の足がズタズタになって血だらけになっていたという。
そして『いまいましいヤツだ。三つの頭に同時に注意するなんてできるか?』と言っていたとのこと。
「わかるだろう、どういう意味か。ハロウィーンの日、三頭犬の裏をかこうとしたんだ。僕たちが見たのはそこへ行く途中だったんだよ。あの犬が守っているものを狙ってるんだ。トロールは絶対あいつが入れたんだ。みんなの注目をそらすために·····箒を賭けてもいい」
「そんな·····それはないと思うわよ」