第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
「アレと関わるな。もし、お前に何かあれば、吾輩はウィリアスとヘレンに顔を合わせれん」
その言葉に、少しだけムッとした。
ハリーのせいじゃないのに、何でハリーと関わるとろくな事がないと言えるのかとセブに怒りを感じる。
セブの事は好きだけど、こういうセブは好きじゃない。
「ハリーのせいじゃないわ!私が誰と関わるかは私が決めるの!!」
「アリアネ」
「セブのそういうところ、嫌いだわ!」
私は肩に置かれたセブの手を振り払い、走るようにしてその場を後にした。
だけど走りながら私は凄く後悔して、泣きそうになってしまう。
セブに嫌いと言ってしまった。
勢いで言ってしまった事に後悔しながらも、でも、本当にあんなセブは嫌いだと心の中で独りごちる。
「なんで、あんなにハリーを邪険にするのかしら·····」
それが不思議でたまらない。
一体、セブはハリーに対してどんな感情を抱いて、何があって邪険にするのか。
謎に思いながらも、私はグリフィンドール寮に繋がる階段を上がっていく。
すると、丁度ハリーとロンと鉢合わせた。
「アリアネ!怪我は大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。マダム・ポンフリーがあっという間に治してくれの」
「そっか、そりゃよかった。そういえば、あの後マクゴナガル先生がグリフィンドールに点をくれたんだよ。トロールを倒したことに」
「あら、そうなの?それは良かったわ」
減点されたけれど、点をくれた。
そのことはマクゴナガル先生に感謝しなければと思いながら太った婦人の肖像画の前に立つ。
「豚の鼻(ピッグスナウト)」
合言葉を言い、中に入る。
すると談話室はガヤガヤと賑やかで、皆は談話室に運ばれてきた料理を食べていた。
そして、ポツンとハーマイオニーが立っているのを見つける。
「ハーマイオニー!」
声をかけると、ハーマイオニーは気まずそうにしていた。
「怪我は、平気?」
「平気よ。マダム・ポンフリーが治してくれの」
すると、ハリーとロンがこちらにやって来る。
三人は凄く気まずそうにしていて、私までが気まずくなったきた。
だけど、やがて、三人は顔を見ずに『ありがとう』と言い、私はそんな三人にため息を吐きながらも嬉しくて笑い、四人で食べ物を取りにいった。
それから、私とハリー、ロン、ハーマイオニーの四人は改めて親友となったのだった。