第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
なんて思っていれば、マクゴナガル先生が飛び込んできた。
そして次にセブとクィレル先生も飛び込んできて、クィレル先生はトロールを見た瞬間、ヒーヒーと情けないぐらいに弱々しい声を上げている。
なんて、説明しよう。
それより頬が凄く痛いと思っていれば、マクゴナガル先生が私とハリーとロンを見据える。
凄く静かに怒っていた。
「一体全体あなた方はどういうつもりなんですか」
凄く静かな言葉だけれど、その言葉から凄い怒りを感じる。
「殺されなかったのは運がよかった。寮にいるべきあなた方がどうしてここいるんですか?」
とても嫌な状況になってきた。
そう思っている時、ハーマイオニーが声を上げる。
「マクゴナガル先生。聞いてください、三人とも私を探しに来たんです」
「Ms.グレンジャー!」
「私がトロールを探しに来たんです。私·····私一人でやっつけられると思いました。あの、本で読んでトロールについてはいろんな事を知ったので」
ハーマイオニーは嘘をついた。
そんな事、ハーマイオニーはしていないのにと思いマクゴナガル先生に言おうとした時である。
ハーマイオニーが私の腕を掴んで、小さく首を振った。
「もし、三人が見つけてくれなかったら、私、いまごろ死んでいました。ハリーは杖でトロールの鼻に刺し込んでくれて、アリアネは火の呪文を使ってトロールを倒そうとしてくれて、ロンはトロールの棍棒でノックアウトしてくれました。三人とも誰かを呼びに行く時間がなかったんです。三人が来てくれた時、私、もう殺される寸前で·····」
「ちが·····」
「いいの、アリアネ」
違うと言おうとした私を、ハーマイオニーがやんわりと制する。
「まあ、そういうことでしたら」
すると、マクゴナガル先生は怒りの目を私とハリーとロンからハーマイオニーへと向けた。
「Ms.グレンジャー。なんと愚かしいことを。たった一人で野生のトロールを捕まえようなんて、そんなことをどうして考えたのですか?」
ハーマイオニーは項垂れる。
なんで、彼女は嘘をついてまで庇おうとしたんだろうと思いながらオロオロする。
「Ms.グレンジャー、グリフィンドールから五点減点です。あなたには失望しました。怪我がないならグリフィンドール塔に帰った方がよいでしょう。生徒たちが、さっき中断したパーティーの続きをやっています」