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水色の恋模様 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第2章 小豆娘



親しみを込めた呼び名で呼ばれた方角へと視線を移せば、此方へと手を振り駆けてくる姿が見える。
俺のそばまでやって来ると、


「こんにちは!義勇さん!」

「炭治郎」


俺の弟弟子、竈門炭治郎が元気いっぱいに挨拶をしてくれた。

その後からもう一人…


「炭治郎〜!急に走らないでくれよぉ〜!」


雷の呼吸の使い手、我妻善逸。

更に後からもう一人やって来る。


「半々羽織じゃねぇか!丁度いい、探す手間が省けたぜ!おいお前!俺様とここで勝負しろ!」

「…勝負はしない」


那田蜘蛛山でぐるぐる巻きにした、嘴平伊之助が俺に向かって勝負を挑んで来た。


「何考えてんだよ!相手柱だぞ?!」

「こら伊之助!義勇さんに失礼じゃないか!すみませんっ、すみません!」

「あの時より格段に強くなった俺様を見せてやるぜ!かかって来い半々羽織!」

「俺らの話聞いてた⁈馬鹿なの?!」


二人の制止も聞かず、なお俺に挑もうとする嘴平。
こんな人通りの激しい大通りで刀を抜く奴がどこにいる。
それに、俺は極力刀は抜きたくないのだ。

しかし、俺が相手をしなければ気が収まらないのか、嘴平は闘争心剥き出しでもう既に刀を抜こうとしていた。

……はぁ、仕方がない。


「怖気付いて手も足も出ねぇのか!ヌハハ……ぬぉぉっ?!!」

「修行し直せ戯け者」


あの時と同様、ぐるぐる巻きにしてやった。
吊るす所が無かったので、今日は転がしておく事になったが。


「み…見えなかった…。流石です!義勇さん!」

「いや凄いけど!凄いんだけどさぁ!色々おかしくない⁈まずこの縄どこに忍ばせておいたわけ⁈」


どこに忍ばせておいたか?
…それは秘密だ。

お灸を据えるつもりで「解けねぇ!」とジタバタしている嘴平をとりあえずそこへ置いておき、俺はまた草履の物色へと戻る。


「新しい草履探しですか?あれ、女性物ですね」

「あぁ」

「義勇さん、もしかして贈り物ですか?」


…贈り物、になるのか。
そう言われると、少し気恥ずかしいな…。





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