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水色の恋模様 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第2章 小豆娘



「すまなかった」

「……へ?」


思いの外スルッと謝ることができた。
自分でもびっくりだ。
しかし当の本人は何の事を言われてるのか分からないといった様子でキョトンとしている。


「さっきは、嫌な言い方をした」

「あぁ…」


さっきのことかと、思い出したように相槌をうつ。
忘れていたのならそれはそれでいいのだが、俺の気が少々治まらないので少しお付き合い願いたい。

さっきとは違う言葉で伝えてみる。
本当は、俺はこう言いたかったのだと…


「一人でよく頑張った」

「え…」

「俺も手伝う。だから、あと少しがんばれ」


俺がそう言うと、目の前の娘は目を見開いて驚いていた。
すると見る見るうちに涙が溢れて…


「…っ、…うぅっ……ひっく……」

「っ⁈おい…」


…また泣かせてしまった。
今度は何が間違っていたのだろうか。
気持ちだけがあたふたして最早何も出来ず。
誰か教えてくれ…

どうやらずっと我慢してたのか、涙が溢れてもう止められないようだ。


「泣くな…」


どうする事も出来ずにお手上げの俺。
なんとかそうお願いしてみれば…


「あなたが泣かせたんでしょう!」


…ごもっともです。


「……悪かった」


わんわんと泣く娘に謝る事しか出来ない情け無い自分…。
女子を泣き止ませる術を持たない俺は途方にくれる。
とりあえず涙をなんとかしたいと思い、持っていた手拭いでごしごしと拭いてみた。

すると拭かれたことにびっくりしたのか段々と大人しくなっていく。
落ち着いただろうか。
よく分からないので涙が出ている間ずっと手拭いで拭いてやった。

その間文句は言わず、されるがままに拭かれる姿が幼子のように見えて、少し可愛いとか思ってしまった。

…俺は何を考えているのだろうか。

拭きながら、そう言えば名前は何と言うのだろうかと考える。
今は聞ける雰囲気ではないので後で聞いてみる事にしよう。

とりあえず…小豆娘にしておこう。






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