第5章 知恵者グレーテル〜旦那が勝つか私が勝つか?
遠くからうちの両親も来てくれて単身赴任のお義父さんも駆けつけてくださり義理のお母さんも参加した話し合いが都内のレストランで静かに行われた。
私が離婚したいと言うことに変わりなく揺るがなかった。
「実家の両親に話してなくてごめんなさい。自分で解決しようとしたけど無理でした。そこで味方をたくさんつけようと思ったんです。健太さんには卑怯だとかなんだとか言われるんでしょうけど、私はもうあなたとはやっていけません。でも子供が生まれるまでに色々と進めておきたいです。離婚に応じてくれますよね?」
私が健太さんの言動を詳しく話した後にそう言ったらお義父さんも実家の両親も驚いていたが私の味方になってくれた。
「けしからん!そんな息子に育てた覚えはないぞ!千郷さんだって一生懸命にやってるんだ。それをソースの件だけではなくつわりで辛い時もそんな言葉をかけていたのか?私たちの大事な孫が入ってるんだぞ。孫が生まれたら可愛がってやりたかったしできるだけ単身赴任も早めて切り上げるつもりだったんだ。なのに健太のおかげで台無しじゃないか?離婚したら孫とは会えなくなるんだぞ!お前もそうだ。子供とは会えなくなる。父親になる自覚を少しは持ちなさい!」
お義父さんに怒られて健太はだんまりを決めていた。
「そうよ!お父さんの言う通り。なんてことしてくれたの!!!」
義理のお母さんが今にも泣きそうな声で言った。
「あの、あと申し上げにくいんですけどお母様とお義父さんが跡取りのことを気にしてるから男の子を産めと言われたんですけどすみません。女の子なんです。先日、性別が分かったばかりで。」
私が頭を下げてそう言うと義理の両親は驚いていた。
「いつそんな情報を?」