第4章 北風と太陽〜居場所のない家庭生活
それから家族の時がまた動き出したかのようにガラリと雰囲気も空気も変わった。
子供達の提案で骨折してる間は1階の和室に布団を敷いて寝ることになった。
お風呂は息子がなんとか入れてくれている。
「お父さん、背中流すね。」
「ありがとうな。」
「やっぱ、中学の草取り出ればよかったかな?」
「まぁ、過ぎたことは仕方ないさ。次は出ような?」
「そうだね。でもまずはお父さんの骨折が治ってからじゃないと。」
「それもそうだな。」
食事はなんとか自分で食べられるし、上の服は自分で着られるけど足のギブスをはめるのと下のズボンは妻がつけたり、吐かせたりしてくれている。
「迷惑かけてすまない。」
「いいのよ。最初はお金かけてーなんて言って悪かったわー。でもあなたが骨折してくれたおかげでまた家族が仲良くなったんだし、これでいいじゃない?まぁ、骨折したことが良かったなんて言っちゃ悪いけど。」
「それもそうだな。」
久々に妻と語り合って笑った。こんなの何十年ぶりだろうか?
新婚だった頃とまでは行かないけれど夫婦仲も改善していった。
「ねぇ、お父さん?今度うちのモデルのYouTube出てよね。家族を紹介したいからさ。」
海夢が私のところにやって来て言った。
「そうか、じゃあ頑張って骨折を治さなきゃな。」
「頑張ってね。」
こんな日々を送り3ヶ月が過ぎたー。