第4章 北風と太陽〜居場所のない家庭生活
私の骨折はすっかり治ったのだ。
今では家族仲も良くなったのでたまに家族で外食に出かけたりお出かけもしている。
この間は娘の海夢の提案で家族では初のプリクラを撮った。
娘の海夢と息子の琢磨がせっせとプリクラにスタンプを押したり書き込んだらしてくれた。
そして出来上がったのを見たらー?
「私のかつらおかしくないか?」
「えーベルバラがテーマなのにぃ。だって世代なんでしょー?」
「まぁ、そうだけど。」
いくらスタンプとは言え派手な中世ヨーロッパの貴婦人のカツラとドレスとは恐れ入った。
そして家族仲も良くなったことで息子や娘の学校の文化祭に足を運んだり、息子の学校行事にも参加した。
「親子クッキングかぁ。」
私が息子と参加したのだが、料理はあまりやってこなかったので、しっちゃかめっちゃかになったけどこれもいい思い出となった。
「お父さん焦げてるよ?」
「えっ?しまったーーー!」
オムライスの卵が少し焦げてしまった。
「あーあ、フワトロにしたかったのにー。でもこれはこれで喫茶店のオムライスみたいでありかも?ほら、ケチャップかければ誤魔化せるし。これなら誤魔化してもいいよね?」
息子のフォローに私は苦笑した。
「そうだな。食べちゃえば同じか。あはははっ。」
今思えばあの時、骨折して良かったのかもしれない。骨折した時は痛かったが、こうして家族の仲が深まるきっかけになったのだから、あの時の自分ありがとうと言いたい。
お陰で熱も2日で冷めたし、骨折は日にちと時間がかかったけれどこれでいいんだと思った。
私はこれからも変わらず家族に愛情と家族サービスを注いでいこうと思ったのであった。
めでたしめでたし。