第8章 ブレーメンの音楽隊〜それぞれの過去と向き合った今
新曲のStylish afternoonのレコーディング終わりにサムとユウジと合流して焼肉を食べに行った。
そして世間話から流れていろんな話を聞いた。
サムは両親を事故で亡くして孤児院で暮らしていたらしい。
「あの時は大変だったし、悲しかったよ」
サムは今ではあっけらかんとしていたけれど、子供だった当時は悔しさに塗れていたらしい。
「孤児院って聞いたことはあるけど、あそこで生活してどうだった?」
僕が神妙な顔でサムに聞くと呆れた顔で言った。
「つまんなかったよ。孤児院に入ればそこにいる子供達と仲良くなれると思っていたけど、孤独感が強かったな。まぁ、あそこは友達作りに行くところじゃないしね」
「そうなんだね・・・・」
僕は神妙な顔で相槌を打つ。
「実は僕には弟がいたらしいんだ。でも孤児院にいる時に弟の方が先に引き取られてしまってね。それから弟とはずっと会っていないんだ」
「そうなの?それは知らなかったよ。いつか会えるといいね」
「うん、だから僕がこのバンドをやっているのは弟の目に止まればいいなと思ったのかもしれない。YouTubeとかSNSにアップすればきっと目に止まると思うから」
サムはそう言って席を立った。
「トイレに行ってくる」