第3章 かぐや姫〜メンズは全部私のもの
私は田舎から出てきたので東京の大学は近くにアパートを借りて通うことになった。高校を卒業したと同時に引っ越しの準備をやり始めてあれこれ荷物をまとめておいたのだ。あとは必要最低限の家電は両親と家電量販店を見に行って購入したのを持ち込んだ。
私の部屋はワンルームでリビング&ベッドルームになっている。小さいけれどお風呂もシャワーもあって隣にトイレも完備してある。あとはクローゼットがついていたのでそこに服や下着、靴下はしまった。
あとは小さい冷蔵庫、テレビとテレビ台、自分の部屋にあったパソコンと買ったコピー機。小さめの本棚や食器棚、食器類や調理器具も買った。
大学生活の合間にアルバイトをして貯めたお金で少しでも自分の食料品を賄えたらいいなと思ってハンバーガー屋さんでバイトも始めた。
そして大学に通ってしばらくした頃だ。私は映画同好会に入部すべく映画同好会がいつも使っている部屋のドアを開けようとした。
「あれぇー?さきにゃんだぁ。」
そっ、その声は?
「ひぃーーーー柚莉愛っ!!!!!?」
えっ?なんで?私が入る同好会って教えたっけ?なんてアタフタしていると柚莉愛がドアを開けて中に入って行った。
嘘でしょーサークルも同じとか・・・ありえないんですけどー。
「さきにゃんもここに入りたいんでしょ?だからドアの前に立ってたんだよね?すみません、この人も入部しまーす。」
「待ってよ!まだそうと決まって・・・・おわぁ。」
柚莉愛に引き摺り込まれて仕方なく入部した。
柚莉愛さえいなければ楽しく入部できていたのにくそぉ!!
なんて思いながら周りを見渡すと新入生は私と柚莉愛ともう1人の男子学生の3人だけみたいだった。
手続きを済ませると先輩たちが一人一人、自己紹介をしてくれた。
みんな優しそうでいいなと思った。私がにこやかに自己紹介を聞いてる中、柚莉愛はなんだか品定めをしているかのような表情で先輩たちの自己紹介を聞いていた。
これは先が危ぶまれるなぁ。