第1章 シンデレラ〜継母との確執
そして話し合い当日。私の指定したファミレスに家族に集まってもらい座ってもらった。両親が向かい側に座って姉たちの横に私は追いやられた。佐伯さんは斜め後ろで座って聞いてくれている。
「よくもやってくれたわね!」
母の第一声はかなり大きく他のお客さんも注目していた。そんなことはお構いなしに母は私の胸ぐらを掴んでいる。
「それはこっちのセリフです。」
私は淡々と言葉を返した。
すると父が怒りに震えながら言った。
「お前のせいで仕事を失ったんだぞ!どうしてくれるんだ?」
「そうですか。自業自得様ですね。あなたは三代ハラスメントまで犯しておいてその言い方はないんじゃないですか?むしろ迷惑料として社員の皆さんにお金を払って欲しいくらいですけど?」
「お父さんがそんなことするわけないでしょ!言いがかりはよしてよ。さては自分が不利になると思ってあべこべを言ってるんだわ。」
長女の言葉にみんなが頷く。
なんなのこの家族は?と思うと笑いを堪えるのに必死になる。
「そこまで言うならどうぞ。」
「証拠もないくせに出鱈目言ってんじゃねーよ。」
母が私を睨んで言った。
「あはははは、サスペンスドラマでありがちな展開で安心したわー。証拠なら揃ってるから安心してね。ほら!」
私は意見箱と防犯カメラをテーブルに置いた。
「見たくないならいいけど見たいならどうぞ!いやーいいのが撮れていたみたいよー。あと社員の皆さん相当お怒りのようでしたので。昨日、父のいや、もう父ではないかモラハラエロ親父の会社に行って社長さんと話をさせてもらったのよ。その時にこれを預かってきたの。証拠を出せとか言っておいて出たらでたで見ないなんて卑怯よね。」
私の反撃に両親や姉たちは言葉を失っている。そんな家族に見せびらかすように意見箱の中の紙を私は1枚ずつ見せた。するとそれをひったくって父がワナワナと震えて言った。
「これのどこが証拠なんだ?どうせお前の入れ知恵で社員に嫌々と書かせたんだろう?」
「そうかしら?嫌々ならこんなに細かく不満を書くかしらね?それに防犯カメラの映像もありますけど見ます?見ません?」
私の含み笑いに母が顔を真っ赤にして怒りながら私の頬を叩いた。
しかし、今の私には痛くも痒くもなかった。