第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密
「それもそうね・・・。」
マカロンさんはそう言って立ち上がると膝を抑えていた。
「俺は手荒な真似だけはしたくありません。それに布教活動もやりたくありませんでした。」
「じゃあ、ギロチンにされてもいいのね?」
マカロンさんにそう聞かれたけど俺は隙をついて逃げることにした。
「マカロンさん、あっ、摩邪様が呼んでますよ。ほら、あそこ!」
「えっ?どこどこ?」
マカロンさんが廊下に出てきょろきょろしてる隙に俺は小窓からなんとか脱出することができた。荷物が少し引っかかってしまったけれど強引に放り出されるように外に出た。
「こらぁ!!!まてぇーーーー!」
建物の中からマカロンさんの叫び声が聞こえたけど俺はお構いなしに一目散に歩き出して財布の中身を確認すると少ないお金でタクシーに乗り込んだ。
「警察までお願いします。」
俺はタクシーの運転手にそう告げて警察に向かってもらった。
警察に行って俺は身分証を出してこれまでのことを話した。そして両親と電話をすることができた。
「あの、そういえば英玲奈ちゃんという女の子はどこにいますか?ツインテールの女の子です。俺が教団の建物から逃したんですけど。」
「心配なさらないでください。近くにいた人が保護してくれて警察に渡してくれましたよ。」
俺は警察からその話を聞いて安堵した。
すると警察官のお姉さんに連れられた英玲奈ちゃんがやってきた。
「あっ、悠太お兄さんだ!ありがとうございます。」
こうして俺たちは脱出に成功して逃げ切ることができた。
そして警察の人にこれまでのことを話して対応してくれるように頼んだ。
明け方に両親が迎えにきてくれて俺は沢山謝った。でもそんなことより生きていてくれてよかったと両親は喜んでくれた。
「でも、俺にはやり残したことがあるんだ。英玲奈ちゃんのお母さんを助けないと!」
俺が両親にそう言った時だった。英玲奈ちゃんがやってきて警察の人が教団に今、向かっているから大丈夫だと告げてくれた。