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現代版おとぎ話

第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密


この宗教に入って秘密を暴いてやるなんて思う時が来るとは自分でもびっくりだ。興味本位で入ったのにいつしか考えが変わっていた。やっぱり鮮明に残っているのはギロチンを生で見たことだ。この宗教のおかしな秘密を警察に暴露するんだ。その思いでいっぱいだった俺は夜中の12時に部屋を抜け出して英玲奈ちゃんの部屋の前にやってきた。
ドアを静かに開けて英玲奈ちゃんと手を繋いで静かに歩きながら北棟に向かった。

「ここだよ、入って。」
「ありがとうございます。」
俺がボイラーの部屋を教えてあげてドアを開けた。
「あそこの窓から逃げるんだ。俺の肩に跨っていいからね。」
「ありがとうございます。外に出たら恩返しさせてくださいね。」
「いや、別にいいよ。そこまでしなくても。それ、窓を開けるよ!」
俺が小窓を開けるとカタンと後ろの方から音がした。

「そこ、何をやってるの?」
後ろを振り向くとマカロンさんの姿があった。




見つかってしまった。どうする?しかし躊躇してる暇はなく英玲奈ちゃんだけでも逃がすことにした。
「英玲奈ちゃん、出るんだ!」
「えいっ、お兄さんありがとう!」
英玲奈ちゃんは小窓から飛び降りて俺にお礼を言うと去って行った。


「この裏切り者!!!!」
マカロンさんが俺の首に手をかけた。
「あんたも逃げるつもりだったのね。」
「はい、逃げ出そうとしてすみませんでした。でも両親が心配していたので会いたかっただけなんです。」
マカロンさんの手に力が入る。やばいこれはと思ったけれど俺は空いてる足でマカロンさんの足を蹴り上げた。その拍子にマカロンさんが床に放り出された。
「ちょっと何すんのよー?」
「言っときますけど俺は洗脳なんかされていません。洗脳されないように懸命に過ごしてきました。」
俺は吐き捨てるように言った。
「じゃあなんで、真面目に集会なんか儀式なんかに参加してたのよ!!!?」
マカロンさんが叫ぶ。
「叫ぶとみんな起きてしまいますよ。」
俺はマカロンさんの方に歩み寄って静かに言った。
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