第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密
そして数日後。俺は自宅でニュース番組を見ていた。ニュース番組では聖斗協会の摩邪様や幹部の3人の身柄が警察に渡されたとの報道があり、教団のメンバーは無事に保護されたとのことだった。
そしてギロチンの犠牲になった人達の遺体が白骨化して発見されたとのこと。
これでよかったんだな。俺はこの経験から危ない話には乗らない、入り込んだら後がないことを学んだ。
大学に通い直す手もあったが両親に迷惑をかけてしまったので今はアルバイトを掛け持ちしている。やっと少しずつお金が貯まってきたところだ。
英玲奈ちゃん今頃どうしてるかな?そんなことを考えながら3年が経った。
俺ははバイトの帰りにコンビニに立ち寄った。すると見慣れた女の子とお母さんが入ってきた。
「あっ、悠太お兄ちゃん!」
「英玲奈ちゃん。元気そうでよかった。お母さんもどうもー!」
「悠太お兄ちゃんのおかげだよ。あの時は本当にありがとうございます。今はお母さんとアパートに住んでいて小学校に通っています。」
英玲奈ちゃんが嬉しそうに教えてくれた。
「私の方は精神科に通いながらアルバイトをやっています。まだ、洗脳は解けてないけど少しずつ前を向いていきたいです。」
お母さんかにこやかにそう言ったので前より明るくなってきたなと思った。
「悠太お兄さんにお手紙書きたいから住所教えてください。」
あれちゃんにそう言われたのでコンビニを出て紙に住所を書いてあげた。
俺はすごい経験をした。最初は興味本位で面白かったがそこは闇だらけのとんでもないところだった。そしてこの経験をもとにのちにエッセイを出版して人気となり売れっ子作家になったのはだいぶ後の話だ。
あれから、英玲奈ちゃんとの手紙交換も続いている。
この話を読んでいる皆さんはくれぐれも危ない宗教には気をつけてもらいたいと改めて釘を刺しておこう。
自分の人生を台無しにしないためにも危ない宗教には乗らないこと、チラシは捨てること。
俺はこれからもこの教訓を頭に入れて生きていきたいと思った。
めでたし、めでたし!