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現代版おとぎ話

第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密


女の子の悲痛な叫びを聞くと胸が張り裂けそうになった。
「お母さんに宗教に入ったら何でも願いを叶えてあげるって言われて入ったらとんでもないところでした。もう、こんな悪夢は見たくありません。どうか、私とお母さんを救ってください。」
「救ってあげたいけどお母さんは洗脳されてるようだからそれを解くには時間も日にちもかかってしまうと思うよ。俺の方はお母さんとやっと連絡が繋がって警察に連絡を入れてくれたそうなんだ。でも、警察だけじゃ当てにならないし待っていられないから逃げようと思う。俺が幹部になったのは逃げる手段を取りたかったからなんだよ。パソコンもスマートフォンも返却された今は調べる方法も沢山あるし、脱出するチャンスもあるかもしれないからね。よかったら君に協力したいと思ってるよ。俺の名前は坂井悠太。君の名前はなにかな?」
俺は女の子に聞いた。
「私の名前は山本英玲奈っていうの。よろしくね。」
「お母さんの名前は知ってる?」
「うん、山本咲良っていうよ。」
「そっかー。実は逃げ道を発見したかもしれないんだけど、幹部しか入れない北棟にあってね。この話は2人だけの秘密にしたいから指切りしようか?」
「うん。そうしよう。」

「ゆびきりげんまん〜嘘ついたら針千本のーます〜指切った!!!」
俺は英玲奈ちゃんと指切りをして約束をした。

それから英玲奈ちゃんにお母さんのことを詳しく聞いた。
同じ部屋にいること、顔がげっそりやつれてしまったことや、ヒステリックに叫んでいることを教えてもらった。
「まずは英玲奈ちゃんだけでも一緒に外に出ようか?」
「でもそれだとお母さんがー?」
「お母さんはまだ洗脳が解けていないんだよね?そんな状態で外に連れ出そうとしたら俺らの脱出もバレてしまうかもしれない。それなら、俺と英玲奈ちゃんが外の世界に出て警察に話すんだ。お母さんを救うのはそれからでもいい?」
「いいわ。」
「実はここだけの話なんだけど、俺は1週間後に布教って言ってこの宗教を広めるためにチラシ配りを任されることになったんだ。それだけは避けたいからその日までに脱出したいと思っているよ。明日、実行しよう!夕飯を食べ終わったら図書館に来てくれる?れ
俺は英玲奈ちゃんにそう聞いた。
「いいよ。」
「じゃあ、明日までに荷物をまとめておいてね。」
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