第6章 鉄のストーブ〜宗教団体の隠された秘密
両親のLINEは最初はどこにいるの?心配してるのよ?という至って普通のLINEのコメントが届いていたけど段々と大事になったことに気がついた。
警察に行方不明届を出したという旨が書かれていた。そういや、この教団に入ってどのくらいだろうか?もう、4ヶ月目かぁ。でも流石に幹部になりたてだからすぐにここを出るのは難しすぎる。
どうしよう・・・両親が心配している。本当のことを話したら怒られるんだろうな。でも言わないと。俺は意を決して母にLINEを返した。
元気にしてる?返事が遅くなってごめん。実はー。
ここまで打ちかけたけど怪しい宗教になんて書いたのが幹部にバレればもともこもない。どうしよう?と必死になって考えた。
いや待てよ。幹部の奴らは今何やってんだ?周りを見渡すとマカロンさんの姿はなく間野絵梨花さんは向かい側でパソコンをやっていて、富田海斗さんはベッドに横になって本を読んでいた。
これならいいかと続きを打つことにした。
実は怪しい宗教に勧誘されて騙されたんだ。今はそこの宗教にいてなんとか出られないか考えているところだ。聖斗協会っていうんだ。本当に心配かけてごめんね!スマートフォンやパソコンを取り上げられていてようやく許可が降りたんだ。
コメントを打って送ると母から返信が届いていた。
【そうだったのね、すごく心配したのよ!ってかあんた大学はどうしたの?】
【ごめん、騙されて辞めちゃったんだ。アパートも解約して。怒るのも無理ないよね。本当にごめんなさい】
【はぁー呆れたわ。でも無事でよかった。警察には伝えておくから】
【ありがとう。スマートフォンは使えるようになったけど電話は無理そう。話してるのを聞かれたらまずいからLINEで送ってね】
【わかったわ。警察に連絡したらまた書くわね】
こんなやり取りをしてこの日は終わった。そしてこの日から俺の挑戦が幕を開けた。幹部としてそしてどうやったらここから出られるのか?考えながら過ごそうと思った。